熟成を持ち焦がれて
2016-10-21
実りの秋である早生に収穫どき食べごろ
待ち焦がれども焦りは禁物・・・
ボジョレー・ヌーボーの解禁に先立つこと約1ヶ月。地元宮崎では、県産葡萄の本年仕込みワインが「解禁」になったと云う。都農・綾・五ヶ瀬に加えて都城にあるワイナリーが、地元栽培の葡萄を利用してワイン作りに奮闘していると聞く。友人との会食などで主に都農の産品は賞味したことがあるが、未だお気に入りを発見するまでには至っていない。既に「焼酎」の生産高は、隣県で本場の鹿児島県を抜いて一躍首位となった宮崎。東京在住時から「霧島」(特に黒)には食指が伸びていたが、宮崎在住になってから「白」の味わいが最も好みとなった。酒に限らず「食」については、その自給率の高さとともに原材料の質の高さにおいて、誠に恵まれた環境にあるとつくづく感じることがある。正直なところ、今は都会の飲食店で食する野菜でも肉でも、特に魚などは、ほとんど美味しいと感じることは少ない。もちろん都会で高額を支払えば賞味できるのであろうが、その「値段」という意味でも宮崎の「食」は誠に良心的である。
まさに「食欲の秋」である。実りの秋で早生蜜柑から梨などの果物類から野菜(こちら今年は台風の影響がないわけではなく、宮崎とはいえやや高騰している)、魚介類では「伊勢海老」なども9月から解禁となっている。それぞれの食べ物について、それぞれの旬がある。また食べ頃を計るように熟成時を待つことも重要だ。社会全体が「何かに追われる」如き風潮の中で、この熟成を「待つ」という心の余裕が大変重要であると最近痛感している。ある現象を以て即断し、先走れば「急いては事を仕損ずる」となりかねない。だが「性急」だと思われたことでも、実は時間が経過し熟成すれば好転することもある。人生が旅路だとすれば、「今此処」では見えていない光景が、3日先には見え始めることがある。また「今此処」で見た光景が、翌日という位置から見ると違った光景に見えたりすることも多々ある。前述したワインなどは特にそうであるが、「熟成」をしっかりと見定めるには、それなりの我慢と忍耐も必要になって来る。「食」の面白さはこんなところにもあり、また「食」こそが生きる源ゆえに「人生」の歩み方を象徴しているのかもしれない。
じっくり熟成
小さな「時」の積み重ねが実り、美味しくかけがえのない一品となる
駆け抜けた喧騒の夏とは違い、僕の秋は「時」が長く感じられている。
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