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辞任といふこと

2010-06-03

2日(水)1日中、鳩山首相辞任のニュースでもちきりであった。TVや新聞はさることながら、Twitter上にも様々な情報と意見が書き込まれた。果たして何が真実で、どんな流れでこの顛末を迎えたのか。深層は様々であろうが、いずれにしても海外のニュースなどは、日本の首相が短期で頻繁に入れ替わることの異常さなどを焦点にしていたようだ。

 政治家に限らず、辞任とは何であろうか?

 スポーツの監督なども、よく成績不振の責任を取って、シーズン中にも辞任をする場合がある。最近では日本プロ野球・ヤクルトスワローズの高田監督。それにW杯を直前に控えた日本代表の岡田監督も、強化試合の敗戦を受けて「進退伺」をしたという報道もあった。こちらは本戦まで指揮をすることになったようだが。過去にもフランス大会で岡田監督は指揮を執ったが、それは予選段階の成績不振で、当時の加茂監督が引責退任した後を受けてのことであった。この時などは、岡田監督になって予選を突破するという結果を残したので、交代が功を奏したということになるのであろうが。

 任期途中で投げ出して辞める。その後が、よりよくなるかどうかは不透明だ。どうしても辞めなければならない事情が生じればともかくも、自ら責任を取るとして途中で投げ出すことは、果たして本当に「責任を取った」ことになるのだろうか。めまぐるしく1年という短期で交代していく日本の首相のあり方が、今の日本社会の混迷をまさしく映し出しているのだ。

 少なくとも、昨年の政権交代に大きな期待を寄せた我々日本国民。政治構造の根本的な変革を願ってのことだろう。しかし、様々な問題が生じて迷走した結果が問われた。もちろんその結果も大きな問題だが、長年続いてきた政治構造を、そんなに短期に変革できるはずもない。リーダー性のある指導者が望まれるのは確かだが、総選挙で信任したということは、向こう4年間の政治を託したと言うことなのだから、もう少し長い目で政権を見守ってもよいのではないかと思う。

 スポーツでいえば、成績不振が監督の双肩に全て委ねられるが、選手の不甲斐なさというのにも目を向けるべきではないか。それならば、国の監督を自ら信任した国民は、選手として自分自身で何ができるかを考えてみてもいいのではないだろうか。

 海外からの視点は、首相が毎年交代することを疑問に思っている論調であるが、見方を変えれば、その程度の政治的指導者しか選ばず、我慢できない、国民の政治意識こそ異常に映っているのではないだろうか。

 あたかも、客として店を訪れて、自分の立場で文句を並べ立てる人々。学校がなっていないから、自分の子供が駄目だという責任転嫁ばかりの親。自らの行動はさておき、他人を批判し、中傷する発言を平然とする職場の輩。

 いま問われているのは、我々一人一人の政治意識に他ならないことを忘れている気がしてならないのだ。

 辞任といふことは?
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