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メディアを活用した授業構想

2016-09-01
身近にあるメデイア
批評的に捉えて学習へ如何に活用するか
学生による授業構想発表の巻

集中講義3日目。2日間の講義の成果をもとに、受講学生たちによる授業構想の発表を行なった。課題は何らかのメディアを活用して、批評的に物事を思考する国語科授業構想として目標や効果を述べつつ、実際にその活動を他の受講者に実践してもらうというもの。メディアの範囲は特に限定せず、多様なものから選択してよし。過去であればテレビやラジオに新聞といったメディアを媒介とした内容が用いられたであろうが、現在ではスマホを介すれば多くの素材があり、そこから適切なものを選択できる環境がある。しかも学生が個々にその媒介を所有しているのが日常である。これは大学生に限ったことではなく、中高生とて同じであろう。みんな学校で「国語」を学ぶと同時に、日常の言語生活においてはスマホを媒介として情報受信・発信を繰り返している。情報を批評的に理解した上で、適切に表現できる能力を身につけておく必要があろう。学校環境は従来、様々な建前を翳してスマホの使用や持込を禁じてきた。だがしかし、そのことでむしろスマホを介して情報の送受信をすることの危険に対して学ばせる機会も失っていた。大学生に対するSNSの使用に関しても同様であるが、「書き込み」等を禁じることではなく、どのような内容を如何に表現すると自己の立場や将来に影響するかといったことを、総合的に社会性として学ぶ機会を持つべきであると考えている。

さて学生たちの発表概要は以下の通り。
○宮崎アニメに使用された音楽を聞き、そのイメージを言語化する。
○青空文庫にある名作を再読し、その物語の後日談を創作する。
○新聞から見出しを除いた記事を提示し、見出しを工夫して創作する。
○映画と脚本と原作を読み比べて、視点の変化や台詞・心情の違いを話し合う。
○曲を聴いて、その内容がどんな文学作品をモチーフにしているかを考え創作者の意図を探る。
○スマホでCMを視て、それが何のCMであるかを考え、根拠を述べながら発表し合う。

それぞれに工夫された内容で、何より相互に活動を実践してみて興味が湧く内容であったように思われる。各情報メディアに対する捉え方は6名の中でも個性があり、それぞれが「正解」を求めるのではなく、その過程でどう考えるかを根拠を添えて交流することに大きな意義があわけである。メディアの活用となると「新しい」というイメージが伴うが、何より肝心なのは「国語教育」における指導者としての姿勢であろう。曖昧に指導書にのみ依存した教材研究しかなされておらず、試験にも工夫がなく、唯一無二の「正解」にのみ集約させて多様な考え方を認めない授業であれば、学習者は辟易とするしかない。メディアを使用してもその情報源における「正解」を当てればいいというのではなく、その情報源に対して自分を起ち上げて如何に考えるかが肝要なのである。

3日間が終了し学生たちも馴染んできた
あらためて国語教師になろうかという志望をもったという声も
教員養成学部たる本務校で僕が実践していることの効用が見えたようで、実に嬉しい声であった。
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