読書とWeb環境ー学校図書館司書講習①
2016-08-18
読書とWeb使用の融合を総合的に考えて人間性と情報リテラシーを
学校図書館司書講習の4日間が始まる
隔年で担当の学校図書館司書講習が開講した。1日4コマ×4日間で16コマの講義&演習の予定であり、ハードな日程であるものの楽しみな時間でもある。それは受講者の方々から、諸々の意見を聞くことができ、また創作的な実践を見せていただけるからである。講習なども指導者が一方的に知識を切り売りする時代はとっくに終焉し、今や双方向において能動的発見に満ちたものでなければなるまい。日毎の予定が「動機付け」「課題発見」に始まり、「知識習得」「知識活用」を経て「自己批評」「軌道修正」に至る構成としつつ、4日間全体がこの構造を持つという受講者主体の能動的発見学習を展開している。まあ通常で考えても、1コマ90分を1日4コマ受講して、ひたすら講義だけを黙って聞くだけであれば、それは淀んだ空気の酸欠状態となり、内容的技術的精神的な発展が見られる効果があるとは到底思えない。なぜWebなどのメディアを介した講義ではなく、わざわざ大学に受講者が集まるのか?その対面性・ライブ性に十分に応える内容とするのが、今後の講習担当者の必須な心得ではあるまいか。
未知の世界を追体験できる「旅」のようなもの。「(子どもたちの)読書の意義」についてのグループ対話では、概ねこうした意見を中心に、如何に「豊かな人間性」に働き掛けるかといった内容が話し合われ発表された。まずは司書として「読書」の意義を言説化できることが肝要であり、自らの「読書観」と他者のそれを擦り合わせて、一定のことばにまとめるという対話の時間を午前中は設定した。午後は「読書と環境」という意味で、Web環境全盛の時代の中で子どもたちの「読書」はどうなるのか?といった課題への対話の時間を設定した。4人一組の多くの班から、Web環境が押し寄せるのは今後も否定できないので、「読書」と如何に融合していくかといった方向の意見が発表された。電子書籍やWeb辞書などを有効活用するとともに、Web上の情報を鵜呑みにしない「情報リテラシー」の重要性や、紙媒体の本の持つ独特の魅力について再検討された時間となった。本のページを開くというのは「新しい世界への扉を開けること」と、僕は常々思っている。その瞬間のワクワク感はいつから感じているのだろうかと、我を顧みるに、やはり幼稚園時代に絵本や紙芝居に興じた、あの「世界を拓いていく」感覚なのではないかと、体験に伴う自説も披瀝して初日の講義を終えた。
知らぬ間に先の世界と出逢っていることも
新たな扉を開いてようやく気付くこともある
夜はジムでヨガの世界へ、内観して今の己の位置を見定める。
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