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我を忘れて走っていると

2016-08-09
周囲の景色が見えない速度
立ち止まれずに走り続ける
大切な「我」はいづこへありやと・・・

この1ヶ月ほど、いや大学暦の4月から前期の間、我を忘れて走り続けているのだと、ふと自覚した。群読劇公演を終えても決して立ち止まることはできず、この日も諸々の準備と校務に追われた。息切れがして心が折れそうな場面に何度も遭遇したが、それでも「自己」を回復して再び速度を上げて走り続けてきた。いま「自己を回復して」と書いたが、それは本当の「我」とは違っていたのだと、ようやく気づいた。平常心ならば持つことのない焦燥感や何かに追われているような感覚が異様な怒りや興奮を呼び起こし、冷静に大切なものに耳を向けることができないでいたのだ。

群読劇の公演を題材に短歌を詠もうとは試みたが、なかなか心の内にことばが浮上して来なかった。公演会場の準備をしている最中にふと海が見たくなって樹木の間を抜けると、そこにある長塚節の歌碑に引き寄せられた。平常なら碑の文字を丁寧に追えるはずであるが、解説板に記されている”誤った”翻字につられてSNSに記すと、和歌研究者の先輩に早々に指摘を受けた。その時に思った、まさに「我」を失っているのだと。短歌に詠みたいことばが見つからないのもまた同じ、「我」が見えていないからである。「大切なものは目には見えない」今回の群読劇「星の王子さま」の名言であるが、眼前の現実を追いかけるのが精一杯で、心の眼を開くことができないでいた己を恥じた。

時に人は、走り切らねばならない時があるとも
だがしかし、己の進む道しか見えないという弱さに愕然とする
「我」を回復して短歌が読めて・詠める心を取り戻さねければなるまい。
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