とうもろこしを剥いて
2016-06-10
朝獲れのとうもろこし皮を剥けば金色に輝く
地元農家の新鮮な味を
身体が、野菜をたくさん欲するような衝動に駆られることがある。東京在住時も、野菜を食べなければとは思いつつも、ここまでの欲求はなかったように回想できる。この衝動はやはり、地元産の新鮮な野菜が身近にたくさんあるからだと、環境に感謝するしかない。懇意にする産直市場では旬の野菜が置かれており、スーパーのように季節を問わずというわけにはいかない。もう既に「空豆の時季は終わった」とか、「今はとうもろこしが美味しい」などと社長が僕に旬の野菜を推奨してくれる。まさに今は「とうもろこし」、しかも「ゴールドラッシュ」という名の品種が美味しい時季であった。店に入るとすぐの台の上には、朝獲れと称してとうもろこしが立派な髭をはやして所狭しとひしめき合っていた。同じ品種ながら「○△さんのとうもろこし」と生産者の名前が記されていて、各生産者によって出来栄えや味に違いがある。野菜も生き物なのである。
社長推奨の「朝獲れ」たる一品と、諸々の野菜を購入した。夜になってその代物を取り出して、皮を剥き始める。そういえば幼少の頃、床に新聞紙を広げて八百屋さんから買ってきたとうもろこしの皮を剥ぐのが、僕の役目であったのを思い出した。髭の部分が黄色の実にしつこく絡み付くが、それを少しでも綺麗に引き剥がす。「食べる」という作業は、既にここから始まっているのだ。皮を剥いだ際の、金色が表出してくるささやかな喜び。すぐさま食したいという衝動を抑えながら、鍋に湯を沸かし茹で上げていく。次第に風味豊かにその金色は、艶やかさを増していく。ひとつぶ一粒の食感が残る程度のところで茹で上げるのが妙であり、ほとんど直感に頼り表面の金色と対話をしていくひととき。
他に野菜中心の料理を二品
榎茸・ほうれん草・トマト・胡瓜等々
食生活の豊かさは住環境とともに自ら創り出すものである。
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