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人生を楽しもう

2016-06-09
フランス人の感性
手土産より気の利いた話をもってこい!
「良く 生きている」ということ

親友たるオーナーが経営する「Bon Vivant」という店がある。かねてより「人生を楽しもう」という趣旨の意味であると伺っていたが、いつぞやフランス語としての概念や語感について深く知りたいと思っていた。研究室を同階に並べるフランス語の先生がいらっしゃるので、空き時間とお見受けしたのでドアをノックした。歓待していただき、前述の質問をしてみると諸々と派生的な話題にまで及び、大変有意義な時間が持てた。仏日辞典にも連語として見出しとなり「人生を楽しもう」という訳語が記されている。二単語としての各意味は「Bon」=「良いこと(Good)」と「Vivant」=「生きている(Live)」であるということ。電子辞典で僕自身が事前に調べた上では、「楽天家」とか「享楽主義者」という訳語もあった。そこでさらにこの語の背景について仏語の先生に問い掛けることにした。

日本語で「楽天家」とか「享楽主義者」というと、どこか負のイメージを伴う(ように思う)。楽観主義で物事を提起をすると、疎まれる”空気”があるということだ。例えば、嘗てW杯フランス大会に日本代表が初出場した際に、試合中に「笑っている」とか「ガムを噛んでいた」選手が、結果的に得点を入れられないと、巷間には甚だしい批判が席巻したという記憶がある。それに反して顰めっ面をして「必死」に走り抜いたマラソンランナーなどは、結果がどうであれかなり賞讃される傾向にあるだろう。どうやら、フランス人は「マラソン」などは大嫌いであると仏語の先生は語り始めた。日常から食事の際などにも「会話を楽しむ」、手土産よりも「おもしろい話を持って来い」と云う。この「おしゃべり」こそが、文化を発展させてきた原動力であるというのだ。日本では古来から、食事中は「しゃべってはいけない」と教えられ、また学校でも(特に授業中は)「私語厳禁」が通例である。この”顰めっ面文化”が過去の歴史を遡ると、誠に憂い深き負の事態を招いた要因ではないかなどと、思いを致したりするのである。

店名がお店の雰囲気そのもの
1度きりの人生を楽しまなくて何かあらむ
「享楽」が「文化」を育むという遊び心を常に持ちたいものである。
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