空間をどう使うか?
2016-05-20
芝生が敷き詰められたイベント広場振り向けばブーゲンビリア咲く公園の象徴
空間をどう使って表現するかという視点
同じ空間を見てそれをどのように使うかは、人によって様々だと感じた。たぶん生活の随所に、同じような作用が起きているのであろう。清々とした空間が好きな人もいれば、乱雑な空間を好む人もいる。以前にも同様な趣旨のことを書いたことがあるが、僕が中高教員時代に経験した職員室の机上はまさに十人十色であった。最近になって実習各校に挨拶回りに赴き実感したのだが、概して校長先生の机上は実に素朴で清々と整理されている場合が多い。それは大学などの事務方の机上を見ても同じで、実務とは何かを考えさせられる。などと考えていると、小欄を書いている自宅書斎の机上周辺が気になり始める。3年以上が経過しながらも、聊か東京のマンション時代の品々が未だ随所に顔を覗かせているからだ。空間の使い方は、その時その時の思考にも大きな影響を与えるようにも思う。
夏休みの地域企画を、県立劇場の担当者とともに考案中である。大学とその周辺の地域の小中高校が連携し、世代を超えた参加者による群読劇ができればと鋭意構想を立てている。発表する舞台をどこにするかと検討した結果、地域の亜熱帯植物園が候補となった。この3月に新規オープンし、入場は無料。海沿いに南国の花や樹々が豊かに植えられていて、大温室も設置されている。その一角に芝生が敷き詰められた「イベント広場」がある。この日は下見に赴き、県立劇場の方と空間を眺めていると、彼は僕らが考えているのとまったく反対の発想で現地を視たのだ。芝生が敷き詰められた広場から観客は劇を眺め、通路の中心にある円形の花壇を背景に演じ手が表現したら面白いと云うのだ。左右の通路から劇中に参入したり、円形の花壇の裏側に演じ手が消えていくなど、より立体的な演劇が創れそうだということなのである。さらにはその舞台の背景には、南国の樹々と限りなき太平洋を望む大空のみ。この地の自然を最大限に活かしたロケーションにて、群読劇ができそうなのである。
空間は発見するもの
あなたの身近にも素敵な空間があるはず
身の回りの空間とは、まさに人の生き方そのものだということなのだろう。
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