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冗長と自慢に陥ること勿れ

2016-03-27
「つかみ」と「落ち(下げ)」
落語など話芸の作法に学ぶ
冗長で自慢になれば聞く側は辛くなる

どうも「教師」というのは、話が長くなる傾向があるようだ。今まで勤務した中高においても、そう考えると思い浮かぶ顔がいくつもある。良い例として思い浮かぶのならいいのだが、この顔ぶれの場合、相手の時間を無為に浪費させる迷惑なという意味で記憶に残っているということだ。考えてみれば諸々の機会のスピーチ、研究学会の質問などにおいても、要点を絞らずに「冗長」と「自慢」の要素が加われば聴衆は内心、うんざりするであろう。「冗長」を『日本国語大辞典』で繰ってみると、「文章や話などがくどくて長ったらしいこと。不必要に長いさま。」とあり、坪内逍遥の『当世書生気質』の一節「いやに冗長な曲りくねった、変に読悪(にく)い文章だなあ」などを引いている。当該欄での初出例文は平安朝漢詩文集『都氏文集』であるから、古来から漢語の語彙(趣旨は要検討と思われるが)として存在し、こうした類の輩が多かったのかと推察する。

この日は、自家用車の点検で営業所を訪れ、愛車が診断を受けている間、担当営業マンの方としばし歓談した。この地に赴任したちょうど3年前から彼の世話になっているが、なかなか潔い営業態度と親和的な心遣いが嬉しい。僕自身は過去の諸々の苦い経験もあって、自動車営業マンに対しては要求が特に高いと自認する。その上で彼は、僕の四方山話にも懇切丁寧に付き合ってくれて、誠に気分の良い”サービス”を展開してくれている。この新型の自動車のどこが魅力かといった内容を伝えると、彼としても新たなる発見があるようで話題が多岐に及ぶ。それでも点検が終われば次なる営業もあろう、引き時が肝心と心得たい。ビジネスとはいえ、やはりそれは人付き合いなのかと、彼の立場を慮るのである。その帰宅の道すがら、地元の懇意にする不動産屋さんに立ち寄った。卒業入学時期ゆえに、学生たちの入退去でお忙しい状況が読み取れる。なるべく近況の要点を伝える話題を心掛けたのだが如何に?まあ帰宅時には、大根や新玉葱までいただき、相変わらずのありがたい関係を自覚するに至った。

冗長に迂回せず要点を明確に
自慢ではなく先方が語りたくなる場を醸成せよ
講義でも学会でも常に心得たいことを日常から掬い取ってみる。

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