もういたか!ピチ太郎

2016-03-26
ドアを開けて閉める振動
何やら上部に気配を感じる
落下してタイル面に落ちて「ピチッ!」

大学卒業式を終えた翌日は、研究室の整理整頓を実行するようにしている。書籍の配置が機能的か?諸々の仕事をする机上は使い易いのか?何より今年度の保管すべき資料を整理して棚に収める作業に結構な時間を要する。考えてみれば3年前に赴任した時に比べて、書籍・資料の配置も研究動向に合わせて変化してきた。などと夢中になっていると、いつの間にか夜の8時頃になっていた。我に帰ると急な空腹感に見舞われたので、帰宅して近所の焼肉店に出掛けようとした。その時、玄関を出ようとドアを開けて閉めた瞬間に、奴がまた僕の前に姿を現した。その名は「ピチ太郎」、冒頭に記した状況において、奴が唯一発する僕に聞こえる音を擬音化した名称である。

玄関ドアの装飾が網の目状になっていて足を掛けやすいのだろうか、奴は決まってドアに張り付いている。だが開閉の振動に耐えるほどの吸着力はないらしく、必ずその折には落下する。最初に出会った際もそうで、タイル状に落下した後にコミカルに尻を振り、植木のある中に逃げ込んんで行った。特段、人間に対する害もなく、むしろ奴は「家を守る」と信じられてきたゆえの汎用性ある名前を持っている。それゆえに撃退や駆除をするのも憚られて、そのままの状態で過ごしている。だが、都会育ちの僕としてはこの類の生き物が苦手である。幼少の頃は、自宅近所にも、あるいは祖父祖母が住んでいた郊外の地になると尚更、この類の生き物がたくさんいた。祖父などは平気で扱っていたという記憶があるが、どうも僕自身は慣れることはなかった。もしあのドアからの落下が、自身の頭の上とか首のあたりから背中に入り込まれたら、などと無用な想像だけが掻き立てられ、焼肉屋の店内で上着を脱いだ際にも、あらためて何かが張り付いていないか確かめたほどだ。誠にこの点への臆病な心性は、我ながら弱点だと自認せざるをえない。

自然との共生とは理念のみならず
生き物が自由に生きられる環境ということ
せめて名前をつけて親しむという言葉の効用を施すことしかできないのだが・・・

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