高次元の技を生で体感する
2016-03-08
TOTO武道館公演高次元の技とサウンド
何事も本物に触れなければわからない
朝起きると左手がやや熱を帯びたような感じなので、よく見るとやや紫色に腫れている状態であった。前日にリハからLIVEを通して、無心にボンゴを熱く叩き続けたゆえ、表面の皮を強めに張っている高音を出す小さめの打楽器に対して左手が主導で対応した結果である。もちろんそれなりに事前の練習もしてきたのだが、閑かな住宅地の一室で控えめに叩いていたのと、スタジオで聴衆を前に叩くのでは、音量にも違いがあり、手の皮にも計り知れぬ負担が掛かっていたのだと察した。まさにこの程度が、素人の素人たる所以でもあり、昨日の小欄に記した身体化などとは程遠い域にあるのだと、己の悲哀と自己満足にやや複雑な心境になった。それもこの日の夕刻から武道館に出向き、我らがバンドがカバーしたTOTO御本家の来日公演に生で触れ、その迫力に魅了されたからに他ならない。
新譜と過去の曲を適度に織り交ぜ、約2時間半近くに及ぶステージは、誠に圧巻であった。ロックバンドは多々あれども、TOTOの演奏技術には特筆すべきものがある。ドラムやベースは新たにメンバーが交代したものの、個々の技術の高さは他の追随を許さないものがある。日常に音源で聴いていると、その凄まじさを忘れてしまいがちであるが、それにしても日本のアーティストなどと聴き比べれば、音と演奏の違いは明らかである。そして何事も本物を生で現場で見なければ、その凄さはまったく分からないのだと、あらためてLIVEの大切さを痛感した。昨日僕自身がリードボーカルをとったAfricaは、いつ演奏されるかと待っていたが、何とアンコールのラスト曲であった。TOTOの歴史の中でも名高いパーカッショニストであるレニー・キャストロの異次元の打楽器演奏に、心の底がからゾクゾクしたものが湧き出し、無意識に涙が溢れているほどの演奏であった。まさに正真正銘の本物のプロとは、己の技だけで人をここまで感激させるのかと、熱い思いがあらためて自己の中に芽生えた気がした。
音楽表現の素晴らしさ
高次元のプロの技
こうした感激こそが、人生に潤いを与えるということなのだろう。
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