大学図書館の未来
2016-01-30
アクティブ・ラーニング推進と図書館の機能強化知識の伝達から自律的な学びへ
政策的に進んできたものを実践へと・・・
大学図書館のあり方が、大きく変わろうとしている。従来は書籍からの情報受信を中心とした機能であったが、今や情報発信や協働学習の場として、学生の活動に寄り添った場となりつつある。ただもちろん、従来の機能をすべて失ってしまうものではない。司書は、情報収集サポートや情報技術指導員として活動し、ライティングスキル チューターなどが常駐する。蔵書のみで定義されるものではなく、学び促進する場所、いわば知的生産物の創造を促し批判的思考に導く学びの場である。といった機能が現状の北米における大学図書館の実情だと云う。このような定義を、中央フロリダ大学のバーバラ・ティアニー氏の基調講演で知り得た。勤務校で現在、附属図書館運営委員となっているため、東京大学で開催された国立大学図書館協会によるシンポジウムに参加し学んだことの覚書である。
協働的学習環境をつくり飲食や電話も可能である。車輪付き家具があり、サービスデスクやプレゼン練習室などのが学生の学習支援をする。イベント文化的スペースも併設され、セミナーや企画が随時実施される。このような環境は、大学の学び自体が大きく変化したことと連動する。図書館の新しい機能を活用する講義や演習などの日常学修を、僕たち教員が設定する必要がある。このあたりの日本での位置付けについて、日本大学の小山憲司氏の基調講演では、嘗て佐藤学が提唱した「対話的学びの三位一体論」の理念のように、書籍を対象として自己内対話を沈思黙考し、他者との関係性の中でそれをアウトプットし、問題発見から問題解決へ導く学びのサイクルを創り出すということが提案された。昨年10月からの半期、僕自身もこのラーニング・コモンズを利用して講義を実施してきた。あらためて、それを振り返り現状のあり方に適った使用法であったかという検証が求められているという思いに至った。
図書館で学ぶ楽しさを伝える活動を
様々なセミナーの開催と講義との連動
何より大学教員自身の教える力を創造する場として。
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