寄り道を厭わずに歩む
2015-12-28
出会った方との偶然を歓び未知の世界を知見することの意味
人生も寄り道してこそ味わい深きものに・・・
予定は未定とはいえども、自分が思い描くように事が運ぶ方が気分がよいに決まっている。手帳に記された予定もあれば、自分自身で思い描いた予定もある。例えば今現在、小欄を記している己が予定通りかといえばそうではない。「思い描いていた」ことからすれば、少なくとも数時間は早く起床して小欄を記して「いなければならない」。だが怠惰か寒さかと詮索し今となってしまったことを後悔しても、過ぎた時は戻らない。この時間になってしまったのには原因がある。
昨晩、近所の懇意にする焼肉店で、店主の親しい地元の方と偶然に出会った。農業関係の仕事に従事するその方の話は、実に新鮮であった。自然・気候に農業は大きく左右されるゆえ、今年の暖冬傾向は聊か厳しい状況をもたらしていると聞いた。更には農業への補助金の問題や今後のTPP政策等々・・・数えれば様々なことがあるという。何よりそうした産業が地元地域を支えていることを実感できる機会として僕にとっては大変貴重であった。そんな話に乗じて店主のお勧めよろしく、焼酎をそれなりにいただいたゆえに、朝の目覚めに影響が出たということ。だがしかし、こうした寄り道のような時間にこそ、生きている上での大切なものがあると思えることが多い。
奇しくもその朝、関口宏司会のTV番組を観ていると「混沌(カオス)」の時代と題して、何人かの論者が「この時代の生き方」について語っていた。「貧富の格差」が世界中で拡大している中、「中間層の没落」というのが日本の特徴であるとし、この層を下支えする政治的方針が必要であると何人もの方が一致して云う。また不公平な条件下で「格差」が拡大すると、富裕層は自分たちの利欲しか考えなくなり、貧困層のことを思い遣り社会的貢献をしようと考えなくなるという実験結果も報告されていた。こうした流れが「グローバル化」という名の「アメリカ化」によって推し進められた結果、現在懸念されている様々な紛争の火種となっていると番組では語られていた。そして教科書教材なども執筆している生物学者・中村桂子氏が「相手の立場を考えられる生物は人間だけ」と切実に語っていたのが印象的であった。われわれはWeb上の断片知で「わかったような」気分にさせられ、多くの人が「誤った方向」へと進んでいると漠然と知覚しながらも、出口の見えない「混沌」の中で不安ばかりを覚えているのではないだろうか。
未知の分野の人との対話
教育を考えることは社会を考えること
寄り道をしてこそ真の社会と人間らしさが垣間見えるものだ。
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