人は体験で磨かれて行く
2015-12-23
人物重視傾向という採用試験学生はその「人物」をどう磨けばよいか?
直接・間接・疑似体験を通して・・・・・
年内の授業も最終日となった。ゼミ3年生との相談から、有志による勉強会を開いた。採用試験に関して知識や御経験が豊富な先生にお願いして、集団討論や面接対策について要点を演習形式で伝授いただく機会を得た。昨年も同時期に同様の勉強会を開催し、現4年生はこれを契機に採用試験で健闘をしたという実績十分の勉強会である。その中で昨今の採用試験では「人物重視傾向」であると指摘された。小中高校での「体験学習」をどのように指導するかという演習問題を考えることとも相俟って、自ずと「体験」の重要性に話題が及んだ。「体験」には、「直接」「間接」「疑似」の三種類があるわけであるが・・・・・。
Web上の「体験」は、もちろん「間接」であり内容によっては「疑似」である。その領域を彷徨し有意義な場合もあれば、思い違いをしてしまうこともある。護られた空間に存在することが保証され、情報を受身になってしかも自分で恣意的に選択できるために、「痛い目」に会うことはない。能動的に発言したとしても自己の思い込みの域を護るばかりで、批評を客観的に受け止めることは少ない。それはSNS上の恣意に満ちた発言を見ると、いつも感じることである。(もちろん、小欄上の発言も恣意であることを認めつつも、思惟深ければと願って)それゆえにやはり「直接」体験をどれほど積めるかによって人は磨かれるのであろう。大学の講義もゼミの場も、こうした勉強会も、まさに「直接」体験に他ならない。それゆえに「間接」や「疑似」の領域と何ら変わりない内容を施していては学生は伸びないということになる。自ら思考し自ら行動で理解する内容を常に模索するのが、僕らの仕事ではないかとあらためて思う次第であった。
相手がどう思うかを全面的に受け容れる
直接体験から逃げないで自己を批評に曝す
人を育てる難しさ、人を育てる歓び、人を育てる尊さがこの身に染みて・・・
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