地域が育む子どもたち
2015-11-30
少人数で個を大切にする授業で活きる言語活動
先生方と地域が育む子どもたち
この2ヶ月ほどで、芸術家派遣事業で2度ほど、他にゼミ生による読み語り活動など、親しく交流するようになった地域の小学校がある。この日曜日はオープンスクールが開催されるというので、午前中の公開授業に赴くことにした。小規模校ながら複式授業の形式をとらず、教頭先生を含めた全教員が分担し、各学年の授業が展開されていた。それぞれが子どもたちが自ら考え自ら表現することから学習が展開する言語活動が有効に機能していたように思われた。漢字と仮名がしっかり読み書きできる、まとまった文章で思ったことを表現する、小数点を含む筆算のやり方を説明する、日清日露戦争前後の時代の風刺絵を見ながらその状況と理由を説明し話し合う、などといった授業に、必ず全員が個の思考と表現を動員し取り組んでいた。
オープンスクールゆえに、地域の方々も多く来校していた。僕の居住町内会の自治会長さんにもお会いできた。また卒業生や来年入学予定の子どもたちも訪れ、生の授業の様子に触れて懐かしんだり、期待を抱いたりしていた。既に地域で親しいのか、来年度の入学生と在校生が休憩時間となると親しく遊ぶ光景も微笑ましかった。そしてまた来校している大人の方々がみな、僕などに挨拶をしてくれる。休日ゆえにIDを首から下げているわけでもなく、どこの誰ともわからないのに、微笑みとともに挨拶をしてくれる方が殆どだ。どうも今やこの国の地域社会が失ってしまったものが、此処には健全と生きているのである。まさに教育上の「桃源郷」であろうか、「小国寡民」の思想は、現代のこの国の地方でこそ活きるのではないかと実感するのである。
ゼミや講義でも紹介したこの企画
2人の学生が来校していたのも僕にとって嬉しい出来事
少子高齢化社会への先進的な地方のあり方なのかもしれない。
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