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タラちゃんの反対理由

2015-11-09
日曜の夕刻
サザエさんのテーマ曲に感じるもの
郷愁と忘れられたこのくにの地域社会

毎週というわけではないが、時間さえ許せば「サザエさん」を観る。あのテーマ曲の短いイントロに続く「お魚くわえた野良猫〜♬」、そして終わる時の曲のイントロから感じる独特の感覚は何だろうか?「日曜日の終焉」といえば大袈裟だが、このテーマ曲は長く日本の日曜日夕刻に鳴り響き続けている。在住地域は地方民放局が2局のみであるが、「ちびまる子ちゃん」と「サザエさん」は確実に放映される。この日も大相撲に続いてこの2番組を観た。すると考えさせされる話題があった。「磯野家」の家の前に自販機を置くことを業者が勧誘し、家族会議で相談することになった。例によって「カツオ」などは、学校で友人に自慢できるなどといって調子に乗って大張り切りの「導入派」であったが、なぜか「タラちゃん」は「反対派」であった。その理由は何であるとお思いであろうか?

最年少の「タラちゃん」が反対した理由は、「ジュースは三河屋さんで買うデス」だった。「カツオ」たちは、お客が来ても缶ジュースを買って出せるし、パジャマでもスープを買いにいけるなどと自販機での購入に気をとられていたが、「タラちゃん」のみが飲料は「三河屋さん」で買うべきものと主張したのだ。普段から「三河屋さん」は磯野家の勝手口から出入りし、街の話題と「サザエ」や「フネ」を繋ぐ架け橋のような存在である。それを一番知っていたのが「タラちゃん」というわけであった。ある意味で、「自販機=大企業」と「三河屋さん=個人経営店」の経済的図式を「タラちゃん」は感じ取り、後者との人間的関係を重視したということになろうか。それを聞きつけた当の「三河屋さん」が磯野家を訪れ、感謝の気持ちを贈物に託すという美談であったが、その上で「うちではお酒類を買ってくれれば十分です」と磯野家の計画にも折衷案を提出する配慮を見せたという流れであった。結局、「波平」が「うちには似合わない」という感覚的な理由から、磯野家前に自販機は設置されなかった。

家族で相談できるお茶の間と個人経営店との関係
このくにで失われてしまったものが「サザエさん」では描かれている
僕も自宅の外灯改修を個人経営店に委ね、夕餉は自宅至近の馴染みの店で焼魚を賞味した。
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