盟主は迷手となり自滅する
2015-10-18
「球界の盟主」中継アナの言葉が虚しく響く
誇りのみ高き「迷手」たちの顔が・・・
取り組む姿勢とは、表情となり行動の雰囲気に表れる。久し振りに日本のプロ野球中継を観ていて、そんなことを考えた。試合内容に比して中継するアナウンサーは、何を血迷うたか「球界の盟主」だとか「百戦錬磨」だとかいった御託を並べている。中継しているTV局はむしろ、前年最下位から14年ぶりにリーグ優勝を果たし、日本シリーズに進出間近のチーム贔屓のはずである。だがこれもまた”昭和野球パラダイム”なのか、この「盟主」に勝利を献上することを歓びとする「体質」から抜け出せていないのか?それとも単に批評性もなく野球ファン以下の知見しかない、頽廃した中継であるのか?一時はスポーツアナを目指そうとした僕としては、納得がいかない音声のみが流れ出て来る。
それはともかく、好機での際立った弱さを発揮して「盟主」はまさに「迷手」になってしまっており、このチームを少年時代には贔屓にしていた身として、誠に情けない思いにもなった。長嶋さんは現役・監督時代を通してファンが観ていて励まされ奮い立つような躍動が感じられたし、王さんの努力に裏打ちされた冷静さと堅実な一振りには、幾度となく心の芯を立て直すような感慨を覚えた。ONに限らずこの球団の選手の表情には、紳士で真摯に野球に取り組む情熱と豊かさがあった。それが今や冷徹さと脆弱さの入り混じった、僕としては受け容れ難い表情の選手が大半である。例えば、FAなどという制度を使って「迷手」入りした選手を見れば明らかだ。たいていは、所属前球団での躍動感あるプレーは影を潜める。たぶん球団名に依存した倨傲な心性が、選手たちの表情をこう成らしめているのではないかと思ったりする。「盟主」と自己満足し独善的となれば、「自滅」へ向かう頽廃の始まりなのであろう。国の歴史を見れば、それも明らかだ。
小欄読者で「盟主」と信じて疑わない方々には、
いささか不愉快な内容となったことをお詫びする。
されど真のファンは、現況をこのように批評すべきと僕は信じている。
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