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原稿読むな語り掛けよ

2015-10-08
学生たちの豊かな笑顔
台本を持たずに絵本世界を演ずる語り掛け
空疎な文字ではなく人として伝えたいこと

下舘あいさん&下舘直樹さんの最終日。午後のフライトを控えながら、午前中の講義でのゲスト講師を快く引き受けてくれた。「初等国語教育研究ⅡA」は、この後期から教室を「図書館ラーニングコモンズ」に移動した。新設されたこのスペースは、移動式の机椅子が整い、班別活動による能動的学習が大変やりやすい。今後はこうした形式の教室が一般的になるであろう。受講者名簿により5人1班を構成し、最初から班毎に着席。「(9月の)教育実習で自分の声は子どもたちに届いたのか?」ということを問題意識として、絵本読み語りを聴いた上でその世界を演じるという活動へ。台本上の配役を決める前に、「クラップリレー」や「わたしあなたリレー」でアイスブレイクと相手に届ける意識を喚起。演劇的手法が次第に学生を活性化していく。

絵本の台詞を中心にリライトされた台本で、配役を決めどのように表現するかを考え内容を覚え込む。”日本的教育”を受けた者は、「覚える」というと「丸暗記」を思い浮かべるのだが、この活動では「文字を届く声にする」ことが目的。実際に発表する際は、多少台本と違ったことばになってしまっても構わない。それが元来の「口誦文芸」のあり方にも通じる。この作業を約20分、班内で「声」を出し合い台本世界を身体化していくことが肝要だ。そして発表へ、直樹さんにギター演奏も入れてもらうと学生たちの眼が変わり始める。大学の講義でも教育実習でも、教科書教材を学生が読むと単調な「教科書読み」からなかなか脱し得ない。換言すれば「文字を読む」ことから抜け出せず、つまらない棒読みとなる。あいさんの信念に「ことばに命を吹き込む」とあるのだが、教壇に立つ者にもそのような「生きた声」の使い手であって欲しいと願う。願いが叶ったか、この日の学生たちの「声」は、実に生き生きとして表情豊かに絵本世界を表現した。笑い方や鳴き声などもわざとらしくなく、みんながみんな虚構の絵本世界に真摯に没入できる時間となった。最後は恒例の直樹さんのギターによるクールダウン。学生たちは穏やかな気持ちで、昼休みを迎えた。

この国に蔓延した「原稿読み」の悪癖
生きている人間が人間に語り掛けることば
声とことばの復権に向けて、また新たな視野が開けた1週間であった。

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