fc2ブログ

〈緊急〉かつ〈永遠〉の課題として

2015-09-01
「眼前の切実な問題や事件」
それは〈緊急〉かつ〈永遠〉の課題
吉本隆明が「親鸞」について語ったという引用から

高橋源一郎著『ぼくらの民主主義なんだぜ』(朝日新書2015年5月)を読んでいて、冒頭のような趣旨の内容(p59「冷たい世界でぼくたちはもがいている」)に出会った。「親鸞」は〈緊急〉と〈永遠〉の中に、相互の課題を発見したと云う。高橋は吉本が「嫌煙権運動」を例に挙げているとして、「たばこを吸うとガンになる確率が高い、だからやめよう」という〈緊急〉に対して、「人間性の中には生理的に悪いとわかっていることでも嗜まざるを得ない精神状態があるという」のが〈永遠〉であると紹介している。その上で高橋は、「二者択一ではない。そのどちらを捨てても、ぼくたちは現実を失うのだ。」と評している。今まさに「民主主義」を考える上でこのような思考を持ち、「現実を失う」ことを回避しなければならない事態に僕たちは置かれているのかもしれない。

「反戦」を訴えるのは、その時代を生きる民にとって〈緊急〉の課題であるが、「平和」を希求するのは、人類〈永遠〉の課題である。それを「二者択一」に陥ることなく志向し続けることによってのみ、「平和」が持続するのではないだろうか。社会の渦中に隠蔽された「危うさ」を「注意深く拒む」ことが、その社会に生きる者の義務であり権利であろう。いつの時代も、どのような寓話にも、王様は下臣や民に諌められることで「平和」が保たれることが多い。異論を唱えて異質な意見が対立してこそ、そこに対話が生まれ均衡した社会が構成されていく。よって国という規模の共同体であれ、一組織であれ、数人の集まりであっても、一人一人の声を聞くことそのものが〈緊急〉であり〈永遠〉な課題を炙り出すことになる。民の”訴求”に対して横暴な言説を発し自己の注目度に悪用する策略に自己陶酔した人物に、「民主主義」を声高に語って欲しくはない。

まさに「ぼくらの民主主義なんだぜ」
「家畜」の歴史は「人間中心主義の残酷さ」であるという一節(p62)も
「動物虐待システム」のような「狂気」が「冷たい世界」を構成していることを自覚する。

関連記事
スポンサーサイト



tag :
コメント:












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック:
トラックバック URL:

http://inspire2011.blog.fc2.com/tb.php/2119-90db3723

<< topページへこのページの先頭へ >>