fc2ブログ

相手が息を吸う刹那に

2015-06-23
武道で攻勢を仕掛ける間
投手が打者に投げ込む間
相手の呼吸にシンクロできれば成果があるとか・・・

朗読において「声が創造するライブ性」が大変重要であることは、これまでも体験的に身に染みている。その境地については、小欄にも様々な表現で叙述してきたつもりである。「聞き手に届く声」にするにはどうしたらよいか?単に声の大きさや質ではなく、ましてや小手先の技術ではない。朗読に限らず音楽のライブも然り、また運動競技で対戦相手を凌駕する「間」とは、理論的にどのようなものなのかを考えるヒントに出会った。先日の研究学会で参加した「絵本読み聞かせワークショップ」で、「聞き手と呼吸のシンクロ」という点が大変重要であることを学んだ。たぶん僕などは、中学高校を含めた長年の教壇経験において、生徒・学生・受講者との呼吸をシンクロさせることを、既に無意識の領域で行なっているのだということが腑に落ちた。

いつ語り始めるか?講義の冒頭、あるいは重要な問いや要点を述べるに際して。そこで聴衆を”前のめり”にさせられるか否かが、語り手としての成否に関わっているのだと思われる。剣道では、相手が息を吸った瞬間に打ち込むのだと云う。(たぶん他の多くの武道も同様だろう)また野球で投手が打者に投げ込む間として適しているのは、息を吸う”直前の”刹那ではないかと思われる。よくプロ野球などでも、「打つ意欲もなく見逃し三振」という場面を眼にするが、あれは「意欲がない」訳ではなく、打者としては「息を吸ってしまった瞬間に球が来てしまった」という感覚ではないだろうか。投手はただ速く重い球を投げればよい訳ではなく、この打者が「抜ける」瞬間にシンクロするのである。打者もまたこまめな動きを繰り返し、その「抜ける間」に投球が手元に来ないようにシンクロする。(打席で微動を繰り返し、落ち着かないフォームである打者を見掛けるのはその為である)こうした境地の投球に最も優れていたのが、桑田真澄投手であると僕は思っている。(僕の好みもあるのだが)

沈黙もメッセージである
換言すればこんな点にも首肯ける
剣道・野球・落語などなど僕自身が体験的に学んだ「間」がそこにある。
関連記事
スポンサーサイト



tag :
コメント:












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック:
トラックバック URL:

http://inspire2011.blog.fc2.com/tb.php/2049-9aede2d8

<< topページへこのページの先頭へ >>