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坂本龍馬への想いあらた

2015-05-07
「実 此世の外かと おもはれ
 候ほどの
 めづらしき所なり 龍馬」
(坂本龍馬の姉宛書簡より)

人生を通した愛読書といえば、疑いなく司馬遼太郎『龍馬がゆく』である。高校生のときに読んで以来、最近では大河「龍馬伝」が放送された2010年まで、通算5回ほどは読み通している。「龍馬伝」以後、龍馬の足跡をあらためて辿りたいという想いが再燃し、京都・長崎などはここ数年のうちに訪れた。ところが、伏見寺田屋の事跡は現地で存分に体感的に味わったのであるが、その後龍馬が薩摩藩に保護され、伏見から薩摩に大怪我の療養にわたった際に、傷を癒した湯治場をなかなか訪問する機会には恵まれなかった。そこで、このGWを利用して車を飛ばして薩摩(鹿児島)の山あいの湯治場を訪れることにした。

狭い渓谷沿いに存在する小さな温泉。龍馬は現在の霧島温泉郷にも足を運び、高千穂峯にも登頂し天の逆鉾を挿し直したという話は有名である。だが、それ以前に愛妻・お龍とともに手に負った大怪我を癒すため、塩浸温泉という場で18泊ほど療養をしたという。さすがに行ってみると、人里離れ隠れて湯治をするには格好の場であると思える場所に、今は龍馬公園となって記念銅像や温泉に資料館などが設けられている。その場を描写したのが、冒頭に記した龍馬が姉・乙女宛の書簡の言葉である。「此世の外かと」というほどに「めずらしき所」といった趣が今でも漂う大変風光明媚な場であった。

どうやら、其処は龍馬が再起した場として、様々なパワーが宿っていると資料館の解説員の方が教えてくれた。そのパワーのキーワードを挙げるならば、「志」「天の恵み」「五感」「繋ぐ」「結ぶ」「緩む」「蘇り」「転機」「暖かい」などであるという。いずれもいずれも、僕自身が今現在に得たい力ばかりが其処に存在しているということになる。先述した『龍馬がゆく』は、僕に大学受験・転職・大学院受験・大学教員採用への道など、あらゆる人生の転機に大きな励ましとなってきた。それらに加えてふたたび何かを「繋ぐ」ことが重要であるということを、今回の塩浸温泉龍馬公園は教えてくれた。

「此龍女が おれバこそ
 龍馬の命ハ たすかりたり」
(坂本龍馬の姉宛書簡より)

龍馬が、愛する女性とあらためて
自身の命の尊さと意味を自覚し蘇生した場なのである。
本年は龍馬生誕180年にして想いあらた。
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