短き2月の過ごし方
2015-02-16
もう折り返し点まだ折り返し点
短い2月をどう過ごそうか・・・
瓶の中に液体が半分ほど入っている。「もう半分しかない。」と表現するのと、「まだ半分もある。」と表現するのでは、発話者の心情に大きな違いがあると解釈できる。「もう・・・」と表現した発話者は、残りの半分に対しての期待も薄く、消費した半分にも有効性を感じていない。また「まだ・・・」と表現した発話者は、その逆で残りの半分に期待をかけており、消費した半分で十分な成果を上げたと感じている。ただ、それぞれの発話を如何なる間や抑揚をつけて発話するかによって、この趣旨に微妙な違いが生じる。これは「文学を読む為の理論」として、登場人物(発話者)の心情を考える問いの、基本的な考え方である。
言葉には、常に心情が乗っている。いや他者が受け止めたときに、発話者(表現者)の心情を解釈するといった方が適切かもしれない。「もう・・・しか」「まだ・・・も」という「言い方」は心のあり方を表現しているのだ。だが我々は日常生活で、発話当事者であってもその心情に無頓着なことがある。何ら悪気がないことばであっても、その「言い方」や「語彙選択」や「発話場面」などに応じて、受け止める側の解釈は多様である。「あの人は諭してくれた」といえば「あの人」に対する敬意を解釈することができるが、「あの人は説教した」といえば、「あの人」に対する反感として解釈できる場合がある。こうした言葉遣いが、社会の中で知らぬ間に信頼や軋轢を生じさせることがある。それゆえに「国語」の授業では、(小説の登場人物の)「心情を問う」問題を考えるということである。
毎年この短き2月を思う
「もう・・・」「まだ・・・」
総量が3日間短いならば、日々の質を充実させるのが得策である。
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