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サンタさんへの手紙

2014-12-23
「そうだ!私は子どもですって、
 手紙を貼って寝ればいいんだよ!」
 子どもの豊かな想像力に敬服。

今年もXmasが近づいた。サンタクロースを信じるや否や、という子どもたちへの調査結果などをWeb上で見た。ここでは、その結果を問題にするのではない。肝心なのは年齢を問わず、「夢」をどう考えるかということである。昨年も小欄で紹介したXmasのベストセラー『サンタクロースって、いるんでしょうか?』(1977偕成社・2013改訂114刷)には、こんな記述がある。「ただ、信頼と想像力と詩と愛とロマンスだけが、そのカーテンをいっときひきのけて、まくのむこうの、たとえようもなくうつくしくて、かがやかしいものを、みせてくれるのです。」と。

冒頭の子どもの発言は、ある保育園での出来事の記事。子どもが「先生は大人だから、サンタさんからプレゼントもらえないの?かわいそう〜。」先生は答えて「じゃあ、子どもみたいなパジャマで寝れば、もらえるかな?」子ども「でもからだが大きいからわかっちゃうよ」先生「じゃあシャツに足まで入れて小さくなれば大丈夫かな」子ども「シャツがのびちゃうからダメだよ。」などというやり取りの後、冒頭のように「手紙」という手段を子どもが発案したという内容であった。まさに「信頼と想像力と詩と愛とロマンス」に満ちた話である。

どうも最近、ファンタジーの世界を甘く見ていた自分に気づいた。何事も現実的発想で処理し、世相に対して憤り、効率化に躍起になりノルマを課して自分を責め立てていた。「たとえようもなくうつくしくて、かがやかしいもの」など、見ようとはしていなかったのではないかと気づかされた。それを前段に記した子どもの豊かな想いの話が一掃し、心を洗い清めてくれたようであった。先日もゼミの忘年会で、「ディズニーランドは好きかどうか?」という話題になったとき、「教員として遠足の引率で行った際には、あまり楽しめなかった。」と答え、その上で「所詮は、人造物だから。」と付け加えて、ゼミ生に驚かれた。そう、これは僕がまったく「心が荒んだ大人」になってしまっていた証左であろう。「カーテンをいっときひきのけて、まくのむこう」に存在する「夢」を忘れてしまっていたような気がする。

「文学で想像力を」と標榜するのなら
「詩と愛とロマンス」もお忘れなくである。
こんな子どもの想像力を活かすためにも、豊かな未来社会を創らねばなるまい。
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