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落語の笑顔で学ぶ国語へ

2014-11-21
読むのではない
演じてこそ理解できる
楽しい国語授業を落語で創生しよう


小学校での落語ワークショップ3日目。最終日と相成りまして、いよいよ子どもたちが「牛褒め」の噺を発表する。期待9割、不安1割といった心持ちで、大学から約1時間の道程に車を走らせる。すっかりその途次が恒例となった感覚で、三たび小学校の正門から校庭脇にある駐車場に車を寄せる。既に全校集会が体育館で行われているらしく、子どもたちの影が見え声が聞こえる。集会が終了するのを見計らって体育館に移動。早速発表への準備を始める。この日は、ゼミ生2名に進行指導役を任せた。実習を複数回経験して来た4年生は、実に頼りになる。1時間目のチャイムが鳴る頃には、小学校4年生が期待に胸を膨らませて一列で体育館に勢揃いした。

体育館舞台正面に向かって右手から、落語場面を再現した「家」が座布団を四隅に置くことで”築かれる”。そこで「監督役」のタイトルコールで噺が始まる。「枕」となる「小噺」に始まり、「与太郎とおとっつあんの会話」が前半、後半は「与太郎とおじさんの会話」の構成だ。前日の45分間の読み合わせでは不十分なのは重々承知の上であった。よってこの最終日の発表前に、更なるリハーサルを設けるか否かに悩んだ。僕が考えた結論は、ともかく間違いを気にするよりも、子どもたちの「瞬発力」に賭けたいということ。この段でリハーサルをすると、むしろ本番で息切れする可能性があるのではないかと思ったからだ。その結論は、ほぼ的を射ていた。

たぶん担任の先生方のご指導もあったのだろう。子どもたちは僕らの抱く1割の不安を忽ち払拭してみせた。4年生の発表は実に軽快に時が流れた。会話の語り方に気持ちが込められていた。5年生はやや人数が多かったのだが、お互いに協力して作品を豊かにしていた。さすがは6年生、作品に味が備わっていた。それぞれの発表の分析は、これから時間を掛けて行うが、子どもたちの豊かな取り組みには、落語家さんとともにやや人情を揺さぶられ涙腺が緩むほどであった。「45分×3」でできることは何か?その可能性を信じて、制約の中であるからこそ集中度が増し、好機を大切にしようという気持ちが生じる。時間を増やせば学習効果が上がるという考え方には、概ね逆行した発想を僕たちは確かめた。

子どもたちが握手を求めて来る
クラス単位で記念撮影も
彼らとの間に3日間で、確実に「落語人情的なコミュニケーション」が成立した。

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