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「母語の文化資源」を意識する

2014-11-05
点々のあるとないとで大違い
ハケに毛があり
ハゲに毛はなし

落語の枕にも用いられる狂歌。五・七・五・七・七の韻律は遵守しつつ、趣ならぬ滑稽を狙った言語遊戯である。三行書で表記したように、一気には読まず行ごとに間を置きながら、次はどんな滑稽さが登場してくるかを聞き手に楽しませる。「笑い」というのも、誠に「言い方」によって大きく左右されるものである。

それにしてもこの狂歌の滑稽さを理解するには、実は高級な日本語能力が必要だ。抑が日本語母語話者でなければ、「点々(濁点)」のあるなしを聴解したり、自ら発音するのも曖昧になる可能性がある。例えば人名を安易に読み間違えるなど(田=タ・ダ、原=ハラ・バラ等々)「濁音」というのは母語レベルで大変軽視しがちであるが、実は深い「母語の文化資源」に依存した重要な表現識別手段である。

それを無意識に選別できるのが、「母語の文化資源」を背負っているということである。この表現は内田樹氏のある対談での発言であるが、同時にそれは「死者の言葉」のうちに存在していると述べている。一般的に「言語・文化」などと呼ばれているものの、内田流な換言であるが、心して考えておきたいことだという思いに至った。

他分野の先生方と外国語教育について討議
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