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急がず間を楽しもう

2014-10-29
「返信遅くなりました」
メールによくある文面だが
果たして「遅く」とは何か・・・

返信が希求されるメールを先方に送ると、その返信が待ち遠しいのが人情だ。その間には、どのような趣旨の返信が来るかという想像が脳裏に去来し、ともするといらぬ詮索までしてしまうこともある。その「いらぬ・・」を避ける為には、なるべく即時の返信が求められようが、果たして早いだけがいいことなのかと考えてしまった。「いらぬ・・」を含めて、多様な角度から先方のことを想像するのは、悪くないと思ったからだ。「結果・事実」だけを重視する世相。人としての豊かな感性が退化しかねない。

幼少の頃、小学生向け雑誌の懸賞に応募したりすると、その見返りが送られてこないかと、毎日のように郵便受けを覗き込んだものだ。「来ない」「今日も来ない」という連続が、その懸賞の内容について深く考える契機にもなった。和歌披講の際の声は、句ごとにいたって緩徐に和歌を伝える。句ごとの間において、次はどんな「言の葉」が出現するかという期待と意外性に遊ぶ。平安朝女流日記文学などは、男を「待つ間」によって成立したと言っても過言ではないだろう。鷲田清一の著名な論説に示唆されたように、我々は過剰に「待ち切れない」社会を構築してしまったのだ。

「待った」挙げ句に、「笑顔」が感じられる返信が来ると実に嬉しくも豊かな気持ちになる。「待つ間」に想像した「先方はきっと忙しいのだろう。」という想像内容が、予想以上の切迫した状況であったりすると、むしろそんな中でも返信をしてくれたことへ感謝の気持ちが湧き出す。あれこれと考えに考えて紡ぎ出した文面も、Webの手に掛かれば「送信1秒」にて電送される。せめて自己の内部では、「間」を楽しみ想像力を豊かに「待つ」ことも大切ではないのだろうか。

書式・段落・語彙選び
そこに表情を読むのも想像力のうち
急がす間を楽しんでこそ邂逅の価値が見える
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