平和な国に豊かな文学
2014-10-13
平和だそしてある意味で豊かだ
今僕たちが大切にしたいこと
2日間、中古文学研究について、また新たな刺激をたくさん得た。様々な研究発表と己の研究方法や領域を重ね合わせ、思考が攪拌されて行く。文学を考えるということは、時代を考えることでもあり、平安京で育まれた豊かで美しい言語表現に魅了され、多くの研究者が奮闘している。豊かな文学が隆盛するということこそ、平安だということだろう。
こうした学会に出席していて、ここ最近常に訴えられるていることがある。文学をはじめとする人文科学の軽視である。政策的に予算は削減され大学での文学研究そのものが、制度や枠組みの上で危機に瀕している。「文理」という二項対立で敢えて語るならば、社会の合理化や効率化に貢献するであろう「理系」の学問には、とてつもない額の予算がついたりもする。「役に立たない」と見なされる「文学」は、軽視というよりも「迫害」されていると言っても過言ではない状況にある。敢えて大仰な物言いをここでは辞さないが・・・
だが、本来的な意味で平和で豊かであるとはどういうことか?医療・交通通信手段・生活上の清潔感・自然の摂理を破壊してまでの遺伝子操作などが進歩し尽くせば豊かだということなのか?「理系」的なるあらゆるものが進歩したとしても、人は生きることの葛藤からは逃れられない。その葛藤からは人を救うのは、人文科学しかない筈である。為政者が言語・文化を軽視する環境に、豊かさや美しさは決して宿らない。
為政者が漢詩や和歌を重視した時代。
中古文学のあり方に学ぶ
古典は僕たちの未来を語っているのだ。
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