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アートで解放する身体

2014-10-04
硬直した「体育座り」
そこから笑顔までの距離
読み語りと絃の音が運ぶもものとは?

芸術家を現場に派遣し子どもたちを「非日常世界」へと誘う、という趣旨の事業がいよいよ本番を迎えた。僕が懇意にする俳優とギタリストを東京から招聘し、山あいの小規模な小学校へと車を走らせた。全校でも20名程度、隣接する中学校の生徒たちも参加して40名ほどの参加者。そこに一部の保護者の方々、やはり近所の就学前児童たちも参観者となり、絵本の世界が紐解かれた。

やなせたかし「ジャンボとバルー」それは、小さな王国で愛されていた象のジャンボが、戦争下の食糧不足で殺されそうになるが、個性を発揮し続け生き延び、王国の危機を救う物語である。ギターの音ががどこからともなく響き始め、次第に子どもたちの間に近づく。俳優さんの表情豊かな語りが、この物語を子どもたちの前に現然とさせていく。絵本を「読む」のではなく、「演じる」ことで、物語世界へと誘う。ライブの声でこそできる力がある。

物語を聞いた後には、子どもたちの身体を解放すべく、コミカルなウォーミングアップを。次第に子どもたちが笑顔に変わる。そして二班に分かれて、隣の人に「声を送る」ゲーム。手を叩き「ハイ!」と言ってできるだけ早くサークル内をリレーして行く。9学年の児童生徒たちが混在して行うこのゲームには、相互に扶助する光景も見られ、小中一貫教育の可能性も見る思いがした。というよりも、まさに地域でその学校の先生方が、9年間の幅の子どもたち一人一人を「みて」いるということだろう。

そして少しずつ読み語りを子どもたちに配分し、全員参加の物語創りへ。地の文や台詞を発達段階に応じて配分し、胸に番号札を着けてマイクを順番にリレーして読み語る。様々な声の交響のうちにも尚、絃の響きが読む意欲を支えている。一巡練習した後、俳優さんからいくつかのアドバイス。「全員読みの部分は、どんな感情で読んだらいいかな?」といった考える素材を蒔いて、物語世界をより深く味わう。いよいよ本番。個々の声が交響し始め、中には実に豊かに物語り場面を再現する語りも出始め、その空間にしかない「ジャンボとバルー」が起ち現れた。子どもたちは、「読む」ことを通じて「物語」を解放された身体で受け止めて「楽し」んだ。そして「声を届ける」ということの面白さに気付いてくれたようであった。

身体を解放し物語を楽しむ
生きる糧にさえなるであろう
演技と演奏を運ぶことの意義を、深く洞察してみたい。
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