〈教室〉で笑えばいいさ
2014-08-26
面白いのに顰めっ面をしていたり悲しいのに嬉しいというべきではないのだろう
もっと〈教室〉に笑いがあってもいい
秋に実行計画をしているプロジェクト第2弾は、「落語でコミュニケーション」である。僕が懇意にしている落語家さんを、山間の小さな小学校に連れて行き、「国語」の授業の一環として子どもたちの「コミュニケーション」活性化を図ろうというもの。教員が授業方法として落語の手法を活かすことは、大変有効であることは身を以て証明したつもりだが、「子どもたちのコミュニケーション」を開拓するのは、尚未知な領域も多い。
長閑な田園に囲まれた道をひた走り、実施校である小学校に向かった。人通りの少ない町を通り抜け、子どもたちが成長する学び舎に着いた。温厚な校長先生が笑顔で出迎えてくれる。各学年の先生方も加えて、打合せが始まった。「国語」の授業の一環ということもあり、僕の計画では〈伝統的な言語文化〉教材との関連で、「落語」から学ぶものがあるだろうと関連づけた試案をもっていた。だが先生方と懇談するうちに、より「子どもたちが楽しめる内容」がよいことに気付かされた。
ことばの響きの面白さ。同音語の妙。江戸弁独特の言い回し。そして扇子と手拭で、様々なものを演じられるという素朴な万能さ。そんな「楽しさ」を子どもたちとともに興じればいい。小学校外国語活動が、大変楽しく活き活きと行われているのと同様に、建前や評価を払拭して自己の殻を破るが如き笑顔を、子どもたちに贈りたいと心底思った。かねてから〈教室〉での「同調圧力」が、その場をつまらなくし、学習者の素直な表現を抑制し、評価を気にして建前を述べる環境を醸成してしまうことを懸念していたのは、僕自身であった。
この晩に視た、全国学力テスト順位発表のニュース
「学力」って何だろう?
それ以前に、素直に笑える子どもたちがいる国にこそ希望あり、と学んだ。
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