吉報は声での知らせ
2014-07-18
携帯が鳴る1日に何本とあるわけではない
中でも吉報はこの上なく嬉しいものだ
登録者であれば着信すると名前が表示されている。その表示も見やすく設計されているので、携帯電話は受話前に相手がわかっていることが大半だ。受話の如何を判断することからして、相手の名前を見ると、刹那の中でその用件までも想像してしまうのは、僕だけではないはずだ。たぶん「この用件!」と脳裏に描き、受話した際の「構え」までも用意して操作に及んでいる。
この日は、夕刻に珍しい親友の名前が表示されて携帯が鳴った。つい先日、秋に行うあるプロジェクトの依頼をメールでしたばかりであった。「名前」を見たときの僕の想像は、その秋の予定が急遽困難になったとか「不都合」な問題ではないかというものだった。それだけ携帯電話で「話す」ということは、「特別」なことになった印象がある。だがしかし・・・
親友の声は、ある厳粛な緊張感と喜びに満ちていた。小欄では、その具体的な内容を公表するのは控えておくが、親友にとっては「一世一代」の出来事であった。僕は、自らの「想像」が覆されたのと、親友と電話で「話す」のが久し振りであったことから、妙に他人行儀な受け答えとなってしまった。だが、次第に事の重大さが僕の身体を貫き、「おめでとう!本当に嬉しいね!」と心から祝福の言葉を贈った。親友も「ぜひとも直接(電話の声で)知らせたかったので」という。やはりこれはメールでは伝えられない、深い感情に根ざした出来事であり親友との関係性であると、あらためて感じ入った。
時に忌避したいと思う携帯の着信。
吉報は何より声での知らせがいい。
携帯を置き、親友の過去の苦労や未来への希望をまた想像し始める自分がいた。
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