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見えないものも見る「体験」

2014-06-22
「君に、今何が見えるか?」
詩歌を前に教師が問う。
イメージは実体験以上のもの。

日本国語教育学会西日本集会に参加。開催地である長崎県の現場で奮闘する先生方の、工夫に工夫を重ねた授業実践を学んだ。また、離島の学校が県全体の20%という状況の中で、複数の学年を同時に進行する「複式学級」公開授業(附属小学校教諭による)にも衝撃を受けた。そして午後は、理事長の田近洵一先生の講演。

僕が大学院生の頃、田近先生には大変お世話になった。朗読の研究会においでいただいた際には、「絵本の読み聞かせ」を自ら実践しながら、その効用について熱く語っていただいたのを、鮮明に記憶している。先生は、国語教育の理論研究で幾多の業績があるが、同時に多分野の研究と現場実践にも優れた先生であると深い感銘を受けたことが、昨日のことのように思い返される。

「菜の花や月は東に日は西に」の句を読んで、「君には、何が見えるのか?」(正確には、長崎弁で問うた)と、授業で問われた経験。田近先生の講演の冒頭で語られたエピソードである。その教室でのささやかな問い掛けによって、田近少年は「一面の菜の花」を脳裡に見ることができ、「見たこともない体験を一瞬にして見ることができた」のだという。これを原点として、「イメージは、実体験以上の「体験」である。」といった趣旨の国語教育理論を、先生は研究者として展開している。

過去に文字で学んだ理論を、肉声で今一度反芻し更なる大きな意味が芽生える。
国語教育とは、こうした触発の伝承や連鎖で支えられているのかもしれない。
まさに「自分自身に目覚める他者との出逢い」なのである。
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