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中学校1年生はいいね!

2014-06-17
好奇心旺盛な視線
問い掛けにも素直な反応
音読の大きく豊かな声

附属中学校で来週、研究授業を1コマ行うことになっている。これは共同研究の一環で、「国語教育研究」なる講義で大学生に「授業方法」を講じている”大学教員”が、いざ現場でどれほど有効な授業ができるかを提示するという、いわば”試される”が如き機会である。附属中学校側からの強い要請で実現する運びとなったが、僕としては前向きに実施したい気持ちで一杯であった。

いきなり「研究授業」というのも、あまりにも生徒たちとの関係性が希薄なので、この日は「帰りの会」に”特別出演”することをお願いしていた。与えられた「10分」の中で、即効性のある交流ができるや否や。僕の「ライブ即興性」が問われる機会であった。6時間目が男子は「プール」という不利な状況の中、担任の先生が生徒たちを席に落ち着かせてくれて、いよいよ僕の登場時間となった。

冒頭に何らかの「バクダン」が欲しかった。そこで先日、出張の際に購入したある”代物”を椅子の上に置いた。そして「遠い大学から来たので、疲れました。座らせてもらいます。」と言って座った。すると〈教室〉で為されるべきではない「炸裂音」が響き渡った。生徒たちはすぐに「ブーブークッション」と見抜いていたが、すかさず「今、どんな音がした?ことばで言って。」と最前列の生徒に問い掛けた。生徒はやや恥ずかしそうに「”ぶー”です。」とか答えたが、女子生徒に至っては照れながら「同じです」としか答えない。しかし順次繰り返し聞いて行くと次第に「ぶーぶーぶりっ」などと滑稽な擬音語を発言する男子も現れた。

その後は、谷川俊太郎さんの「おならうた」をみんなで音読した。「なぜ共通の音でも人によって違った擬音語を答えたのだろう?」と問題意識を高めつつ、詩の中の「ぶ」「ぷ」「す」などと文字で書いてあることばを個々の生徒に「声(音)」で表現してもらった。次第に「声」のみならず口腔や口唇を巧みに使用し、ユニークな「音」を出す生徒も現れた。女子生徒も次第に物怖じせずに、「これは詩ですよ」というと「擬音語」を発するようになった。しばらくは擬音語「音読」のユニークな披露の時間が持続した。

あと残り2分。さて山村暮鳥「雲」の音読となった。まずは何も文字情報を与えず「先生の言う通りに詩を声にして」と言って「おうい雲よ!」と始めた。すると予想以上に大きな声で音読を返してくれた。「では最後に窓の外の空は厚い雲に覆われているけど、雲に向かって詩を投げ掛けよう!」というと、多くの生徒が手をメガホン状態にして、更に大きな声で詩を音読した。いやこの時点で、十分「朗読」といっても過言ではなかった。生徒たちの表情が更に豊かに見えた。

ということで、僕は久し振りに教壇から中学生の伸び伸びとした表情を見た。中学生に授業をするのは何年ぶりだろうか?それにしても特に「中学校1年生」というのはいい!初顔合わせながら、こちらの仕掛けに即応しシラケることなく励行してくれた。音読の声も個性的で豊かである。この好奇心や意欲というものを、形を少しずつ変えながらも、中2・3、そして高等学校へと持続できる柔軟な発想が必要なのだろう。教育とはやはり意欲(やる気)の醸成という点が、大変重要であると再認識する機会となった。

さて来週の研究授業本番は如何に?
1コマのみの投げ込み授業。
教材も教科書にない詩を選択した。

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