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「語彙」で考える「日本野球」

2014-05-28
なぜ日本の「国技」として
野球が名を連ねているのか?
留学生用「日本事情」講義から

雑談・余談の類は別として、本題として初めて講義で「野球」をテーマにした。僕なりに独自の話題はいくつも持っていたが、「日本語中級」程度の留学生にもわかるように話すということが、大きな課題となる。なぜ「日本事情」に「野球」が登場して来るのか?まずはそこに適切に応えなければならない。

「野球」以外で日本の国技と称するものは、「相撲」「柔道」「剣道」など武道の類である。これらはいずれも「一対一」の対戦が試合の基本形態となる。もちろん「団体戦」という形式がないわけではないが、対戦そのものは「一対一」である。その境地は、野球における「打者対投手」の図式に相当する。この「一対一」要素が試合の中心に据えられているのは、野球の大きな特徴であるといえる。更に団体で行う競技であるゆえの要素に日本人の「文化」が呼応したわけである。

「野球」が、これほどまでに日本人の心性を揺さぶり惹き付けて来たのは、「和」を尊ぶ競技として捉えられたからである。「協力」「協調」を旨とする「和」の精神とは、「勤勉」「忠誠」「服従」「犠牲」などといった語彙で説明することができる。徹底した練習を積み、監督の指示には絶対に従い、バントなどの自己犠牲を喜んで受け容れ、自己の身体がキツくとも「苦しい痛い」とは言わずに奉仕するのが、野球(道)のあるべき姿であると思い込んでいる。これが日本で、「野球」が人気を博して来た根本的な要素ともいえる。

語彙を理解してもらうことが、留学生に「文化」」を理解してもらう方法と考えて、いくつかの日本人が好む言葉を紹介した。「忍耐」「感謝」「誠実」「根性」「信頼」などがランキング上位に連ねられる。これらはいずれも、「野球」に取り組む際に重要な姿勢と尽く一致する。昨今は事情がやや異なる面も多々あるものの、未だ「野球」に根深く定着した「精神」は、このような点ではないだろうか。

特に韓国・台湾からの留学生も多く、
彼らとは共通して理解できる「文化」としての「野球」があった。
「語彙で考える日本野球」更に深く僕なりの考察を進めたいものだ。
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