今できる最善を尽くす
2014-04-15
何事も今の一歩が大切だと教えてくれたのはイチローだった。
その衰えを知らぬ守備力を観て思うこと。
生活パターンを変えず、誰よりも早く球場に来て準備に余念がない。イチローが偉大な記録を樹立して来た根本的な要因はそこにあるだろう。毎日カレーを食べるとか(今は違うらしいが)、他人のバットには触れないとか、凡人にはわからない境地を実践してきていることも有名だ。そのイチローがヤンキースというチームに移籍してから、「先発出場」が保障されなくなった。特にその傾向は今シーズン顕著である。
「代走イチロー」が起用される。映像でそんな場面を観る度ごとに甚だしい怒りに似た感情を覚える。全盛期に比べれば年齢的に衰えたのは否めないにしても、出場すれば打撃において好結果を残しているにも関わらずである。もちろん「代走」で起用するからには、その「走力」はチームも認めているということだろう。更には昨日の試合などで魅せたこの守備力(イチロー好守映像)を観るに、先発で起用しないことを糾弾したい気持ちで一杯になるのだ。彼は日本野球会の「宝」に他ならないのであるから。
巨万の資金を投入し優秀な選手を掻き集める球団方針。「優勝が義務づけられた」といった偏向した枕詞を冠して語られることが常のチーム。そんな環境に身を置くイチローを、僕は大変”似合わない”と思い続けている。彼には、「がんばろう神戸」を旗印に監督の豊かな人間性も相俟って優勝を遂げるようなチームがお似合いである。また何度も敗戦の瀬戸際まで追い込まれ、不死鳥のように返り咲いて頂点を奪取した2度のWBC日本代表のようなチームでこそ、光を放つのではないだろうか。
こうしたファンの戯言をよそに、
控え選手イチローは今も準備に余念がない。
今できる最善を尽くすことは日本野球人の鏡である。
決して米国的肥大経済組織の歯車に収まっていて欲しくはない。
彼に”アメ車”のような理念はまったく似合わないのである。
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