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里山と絵本と狂言鑑賞

2014-03-22
花も咲き始めた里山で、
絵本の世界に心癒され、
古典芸能に笑い興じるひととき。

現在の赴任地に来て以来、季の節目ごとに訪れている里山がある。「木城えほんの郷」そこには巷間の喧騒をいつしか忘れさせてくれる、癒しのひとときが待っている。車で小1時間ほど走り、次第に山と渓谷の際にある「落石注意」の看板が目立つ道をひた走る。その道の風景そのものが、異世界への入口を十分に感じさせてくれる。いつしかファンタジー満載の空間へ僕らを誘う。

絵本はただ何となくページを繰っていてもいいのだが、著作者の原画を見ることで更に深い興味が湧き立つものである。この日は、『ますだくん』シリーズや『パパカレー』・『「けんぽう」のおはなし』などで著名な武田美穂さんの原画展が開催されていた。登場キャラクターの愛くるしさ、描画素材への関心、巧妙な立体的描写など、絵本のみではわからない「絵画」の魅力が存分に味わえた。

星が輝き始めたら「開演時間」という妙の中で、「お花見狂言会」を鑑賞。昔話に曰く「冬の間に山に籠っていた「サ(田のこと)の神」が、人々に田んぼの作業を始めるように知らせるために里に下りて来る。その「サの神の座る場所」という意味から、「さくら」という名をつけて人々はお花見を始めるようになった。」という。その他様々な花に囲まれ、人々は「まれ人」の芸能者を招き、神を讃え大地の恵みと人々の幸せを祈願するという世界を現実に再現したのが、この狂言会である。

茂山狂言会の方々によって、「鬼瓦」「水掛聟」「蝸牛」の三演目が水のステージの輝く星空の下で演じられた。里山に響く狂言の所作・台詞や笑い声を、神も照覧。天空と山々の自然と僕たち鑑賞者が一体となって、狂言の演じ手に視線を注ぐ。未だ寒さも堪えるのであるが、「たき火」の暖もよろしく、笑いを発することで心が温かく穏やかになるのが自覚できた。古典芸能の本来的な意味とは、実はこうした自然との共生を求めたものなのではないかという思いを、新たに発動させてくれるステージであった。

里山にあるファンタジーの現実。
この逆説に満ちた空間がとても好きだ。
自然の神に出逢うために、今後も節目ごとに訪れたい。
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