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ミニ動物園は生きていた

2014-03-09
人や動物のカタチをしたもの。
明らかに他の物品と受け止め方が違う。
魂というか心が宿ると思うのは日本的霊魂観なのか。

昨年の引越以来、十分に整理されていない段ボール箱がいくつかあった。年度末を迎えた休日を機に、整理をしようかと思い立った。時折「あったはず」と思われる物品を探すのに時間を費やし、それがまた苛立ちの原因にもなるからだ。何がどこにあるかを把握しているということは、精神衛生的にも大切なことだ。

整理をしていると、あるお菓子の”缶カラ”があった。中身が何であるかという記憶は薄い。不意に蓋を開けてみた瞬間、ことばにならない感情が込み上げた。そこにはミニ動物たちの楽園が、存在していたからであった。都会生活をしていた頃、トイレの片隅を飾っていた”ミニ動物園”に所属する動物たち。

動物たちの出身地は様々だ。湘南江ノ島にある射的屋さんで、幼少の頃からの腕を発揮して射止めた犬・ラッコや熊さん。動物たちの見せ方に新たな発想を取り込み、全国的に有名になった旭山動物園(北海道旭川)に”棲息”していた熊の家族や海洋生物たち。南の島の楽園を取り囲むように、現実の生態を超えた、創作的でファンタジックな世界がそこに存在していたのだった。

動物たちは、「久し振りに呼吸ができた。」と言うが如く一様に安堵の笑顔を見せた。そう!確実にその”缶カラ”の中のミニ動物園は生きていたのである。少なくとも僕には、その魂が感じられた。もう今では引き返せない都会生活における様々な情動までもが、僕の心の画面に映し出された。苦悩が伴いながらも、実に楽しくも充実した日々であった。そんな僕を、この動物たちは毎日トイレの中で見守っていてくれたのだから。

思い出とは、美し過ぎる。
その当時には、決して自覚できないもの。
きっと動物たちは僕が眠っているうちに、今も楽しい時間を過ごしているのだろう。

心の定点観測ができる楽園を、発見した休日。
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