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1年の黎明期たる今を

2014-02-24
1月が始動期ならば、
2月は黎明期とでも云おうか。
何事も光明が見え始める頃・・・。

野球の「1シーズン」は、実に季節の逡巡と合致している。未だ寒い1月の「自主トレ」で選手は基礎的な身体作りを行い、2月の「キャンプイン」でより実践的な技術を磨く。その成果に光明を見出すべく、オープン戦が始まる。約1ヵ月後の春爛漫の頃を見据えて、野球選手たちの黎明期が進行中である。日本に野球文化が独特な色彩を持って根付いたのは、きっと季節感を大切にする文化性と合致しているからに違いない。プロ野球を観戦する全ての人々が、自己の”1シーズン”を投影できる装置であるといえるのではないだろうか。

記憶にないぐらい久し振りに、日本プロ野球のオープン戦を観戦した。試合の勝敗などよりも、各選手が今の時季にどのようなプレイを見せてくれるかに興味が尽きなかった。調整不足が否めないベテラン投手もいれば、新人ながら小気味のよい投球をする投手もいる。いやむしろ新人ゆえに、この場でアピールしないとメンバーに残れないということになるのだろう。打撃面でも様々な工夫や挑戦が見える選手と、闇雲に結果のみを求めて消極性を感じざるを得ない選手など、見応えは多彩であった。

僕が野球少年だった頃、東京ではこの時季のオープン戦をTV観戦するのが実に楽しみだった。映像を通して感じられる一足早い”春の光”に、来るべきシーズンの躍動感を覚えたからであろう。球春は南からやって来るという、日本列島の地理的条件を体感する機会でもあった。まさにこの日は、そんな春の予感をこの一身で味わう絶好の機会であった。

黎明期といえば、大学入試も盛んに行われるこの時季。18歳の頃の僕も、必死に人生の夜明けを見たいがために闘っていたのを思い出す。複雑な心境と信念を抱え込んで挑戦した「1発試験」であったが、どこか妙に「根拠のない自信」に満ちていたのだと回想することができる。今にして思えば「夜明け前の闇は一番暗い」という成句がお似合いな年頃だった。あれから幾歳月が経過したのだろうか。今年もまた夜明けを信じる受験生を、今は迎える側に立っている。

短い2月も最終週。
今年は実に深く考えさせられた。
僕自身の”今”もまた、黎明期に他ならないのだろう。
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