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五輪では「挑む意志」を観よう

2014-02-17
いつものことだが「メダル」「メダル」と喧しい。
枕詞には「史上最年長・最年少」とか。
だがそれが何なんだというのか?
競技の技術や熟練度は年齢に拠らず。
「挑む意志」にあるということではないだろうか。

葛西紀明選手のラージヒル2位となったジャンプは、実に美しい上に飛距離も伸びた。スロー映像などを観ると、その飛行中の視線にはまさに「挑む意志」が感じられる。空中姿勢やその体型を観ても、同様の「意志」が滲み出ているような印象を僕は持っている。何度となく五輪を経験して来た熟練を経て、今また2位となったことそのものを「通過点」と意識するあたりに、彼のアスリートとしての生き様が浮かび上がる。

またスノーボードハーフパイプで2位・3位となった平野歩夢選手・平岡卓選手も同様だ。結果として「メダル」を獲得したのだが、それ以上に競技に取り組む柔軟で幅広い視野を備えた意志こそ賞讃すべきではないのだろうか。その競技への絶大な愛情と周囲の騒音に左右されることのない確固たる「挑む意志」が、彼らの華麗で自由で雄大な演技を支えているように思う。あくまで賞讃すべきは結果の表象たる”色の付いたメダル”ではなく、彼らの表現する競技そのものである。

一方で「メダル・メダル」という喧しさに、隠されてしまう現実があるように思う。メディアの節操なき予想的喧伝による期待から外れてしまった選手たちの健闘に、真摯に向き合う視線が欲しい。そしてまた「日本人選手のメダル」しか見所がないような報じ方にも大きな疑問がある。「挑む意志」をもった各国選手が、どれほどの高度で繊細なパフォーマンスを展開しているのかという点を、更に深く僕たちは見つめるべきなのではないだろうか。

「日本列島が沸き返った」
日本人選手のメダル獲得時によく使用されるフレーズ。
だがしかし、騒ぐ以上に高次元の競技性を見つめる視線を持ちたい。
それをまた自己の”高次元”への途に反映させるためにも。
あらためて「挑む意志」を己の心の中で再起動したい。
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