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”うたぐりや”ばかりのよのなかじゃ

2013-12-16
「うたぐりやは、心のせまい人たちです。
 心がせまいために、よくわからないことが、
 たくさんあるのです。
 それなのに、じぶんのわからないことは、
 みんなうそだときめているのです。」

街には各所でイルミネーションが輝いている。僕の自宅の近所でも、日を追うごとにその度合いがエスカレートする”豪邸”がある。今年もあと半月。このあたりからXmasまでの間というのは、慌ただしいながらも、夢のあるときではないだろうか。「世知辛い世の中」とはいつの時代も囁かれることばであるが、それだけに人のこころのあたたかさを信じるひとときを、過ごすべきだと切に思う。

先日訪れた「えほんの郷」で、欲しかった品物が在庫切れであったので、一昨日から市内で開催されている「えほんフェア」に届けてもらうことになっていた。目的の品を受け取りつつ、他のえほんたちを眺めていると、ふと何冊かのXmas関係の本に食指が動いた。その一冊が、『サンタクロースっているんでしょうか?』(偕成社・1977初版・1986改訂版・201310月改訂版114刷)である。その冒頭に先に記したような一節がある。

8歳の少女が「サンタクロースっているんでしょうか?」という素朴な質問を、父に勧められて新聞社に投稿する。すると新聞社は、その「社説」として味わい深い返事を彼女に出したという心温まるお話である。これは100年前のニューヨーク・サン新聞の粋な計らいだそうだが、その後、Xmasが近づくと各新聞などがこぞって取り上げる逸話になったという。読んでみるとまさに、現在への警鐘とも解せるような文面に驚かされる。

「この世界でいちばんたしかなこと、
 それは、子どもたちの目にも、
 おとなの目にも、
 みえないものなのですから。」

不確かなものを疑り、批判の刃のみを翳し、こころを通わさずに相手を叩くことのみに躍起になっている現在の社会は、一体何なのだろうか?更に言えば、新聞社は信頼性を失い、疑心暗鬼を拡大させ、自ら瓦解していく道を辿ってしまってはいないだろうか?子どものこころに正面から応えようとする100年前の記者たちから、我々は「たしかなもの」を学ぶべきではないだろうか。

この一書には、
生きるために大切なことばが満載されている。
結末のあたたかい限りのことばは、小欄には書かない。
こうした書物を手にしようと思うこと。
そうしたこころを忘れていることを一人一人が自覚したい。
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