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紅葉とえほん

2013-12-02
意図せず秋の風情に出逢う。
道すがら紅葉が美しさを増して行く。
もしや目的地は最高に見頃ではないかと期待を抱く。
絵本の世界を純粋に求めたら紅葉のご褒美までも。
俗界を忘れさせてくれるえほんのある”桃源郷”に再び。

5月にはアーサー・ビナード氏、9月には俵万智氏の講演があって訪れた「木城えほんの郷」を再訪した。「三度目の・・・」の成句のごとく、”まさにこの時”というほど紅葉が見頃であった。春・夏に続き「秋」の里山を満喫。駐車場前にある村の小学校の傍からして素朴な樹々の紅葉が美し過ぎる。ついついそれらを観賞しつつ歩みは緩やかとなり、「えほん館」に行くまでにかなりの時間を費やした。

だがそれは、「えほん世界」に没頭する自覚なき伏線なのであった。何事も効率第一で直線的に進むだけがよいわけではない。予定の枠組に囚われず緩やかに歩む心こそ、”豊かさ”を生み出すのであろう。一度も腕時計や携帯(通信・時計機能と言った方が正しい。カメラとしてのみ使用していたということ。)を見ずに存在し続けられる”とき”を得られるというのが、この里山における”正の呪縛”なのであった。それは”桃源郷”の入口たる洞窟のごとき空間であった。

ランチをとりながらも、販売しているえほんが気になる。心が次第にファンタジーへ向かって揺さぶられる。いくつかのえほんキャラクターが、僕に話し掛けて来る。その声は、世界で此処にしか存在しない天使のごとき声である。ときに師走1日でもあり、クリスマスの雰囲気漂う作品たちが、尚一層情緒的な心へと誘導する。

開催期間となったばかりの企画展は、「長尾玲子の刺繍絵本の世界展」。糸により刻まれた繊細なデザインと色彩感覚が見事だ。展示された作品も『サンタさんとこいぬ』『サンタさんありがとうーちいさなクリスマスのものがたり』(福音館刊)などで、自ずと年の瀬に思いを致すことになる。刺繍の美しさに加えて、そのストーリーの温かさ。クリスマスは「ちいさな」ことであってもこのように夢を抱いて過ごしたい、と思わせるような心のストーブのような作品群であった。

その後、えほん図書館でも時を忘れて物語世界を旅した。既知のえほんの再読もまた愉し。そしてまた新たな邂逅を遂げたえほんもたくさん。えほんは、その時の自身の心を、ファンタジー世界上に鏡のように浮かび上がらせてくれる。何の不安や心配もなく、その物語は優しく僕に語り掛けてくれる。まさに時を忘れて閉館時間直前となっていた。

帰り際に「水のステージ」へ。
黄昏時の其処は、里山を囲んだ山の際に美しい雲がたなびいている。
目の前にはすすきが微弱な風に揺れていた。
心が大きく動いた一日。
あらためて絵本の収集を決意した日でもあった。
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