研究の原点
2013-11-10
自らに問いたいことは何か?問題意識を具体的に表現する。
本気で考えるか否か。
口頭発表し活字化するということ。
自己と他者との対話を繰り返す。
今一度、研究の原点に帰ろう、と思い立った。教員をしながら大学院に再挑戦しようと思ったあの日を思い出して。学部の指導教授に、「本気で研究する気があるのか?」と叱責され、「今の時代は、大学専任職に就くのは難しい。」と諭され、現状維持を勧められた。だが、己の人生である。そのまま研究をしなければ大きな後悔になると思い、「本気」の道を選んだ。
その後も様々な紆余曲折があり、中高教員を続けていたので、現場に即した研究分野も幅広く模索した。出発点となった和漢比較文学、国語教育、そして音声表現へと、自己の守備範囲を広げた。その甲斐あって、学部指導教授の心配を超えて大学専任職に就くことができた。今や鬼籍に入られた指導教授に改めて報告したい思いである。
その指導教授が創設時期から理事として関わり、その基礎を築いた和漢比較文学会の例会で、大学専任職として研究発表をした。今一度、原点に立ち返り漢詩文と和歌との交差点で、自らの問いを展開したかった。古典文学の深層を発掘すること。そのために資料と対峙し自らの読み方をいにしへに向けて放ち、対話を創り出すこと。そんな想いを込めて赴任地の隣県で開催されたという幸運ともあいまって、研究の原点を見つめ直す発表をすることができた。
今一度、更新し再起動。
そんな気分となる貴重な機会。
学会の多くの先生方から多様な視点で意見をいただいた。
あの大学院の階段に足を掛けた頃を思い出して、
再び発表と論文執筆に奮闘する日々が訪れた。
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