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時空を超える意識

2013-10-15
いにしえの心が眠る。
1000年以上も前に書かれた文字を眼にする。
空想であった”歴史”が現実に思える瞬間。
何事も本物に出逢うことだ。
時空を超える意識を持とう。

2日間の研究学会を終えて京都へ。平安朝古典文学を研究している僕にとって、見聞必須の場である。今回は、本年6月に「ユネスコ記憶遺産」にも登録された「国宝・御堂関白記」を、京都文化博物館で直接眼にすることができた。摂政・関白に就く家であった藤原氏近衛家の御蔵を継承した機関である陽明文庫の名宝展が、幸運にもこの時期に開催されていた。

「御堂関白記」は、平安朝の最たる権力者と歴史上評される藤原道長の日記である。展示されていたのは、長保元年(999)の記事であるから、1014年前の出来事が記されていることになる。『源氏物語』作者である紫式部が仕えた中宮彰子(道長の娘)が入内したという11月1日の記事の部分が公開されていた。とりわけ道長自筆本と100年後に書写された古写本とが、同じ日の記事を対照的に展示していた。その過去の保存への意識が尚更、時空超えへの興味を何倍にもそそるのである。

学校で古典学習をする際にも、こうした時空を超える意識を持たせるべきであろう。古典は「活字」なのではなく、句読点やカギ括弧も後の時代の者が読みやすいように付けたのであること。古写本を見せることで、その文字を読むことが”タイムカプセル”を開くかの如き行為であることを意識させるべきではないだろうか。古典学習=文法学習という偏向した無味乾燥な学習活動になってしまっているのは、指導者の怠慢と言わざるを得ない。

本物を見よう。
歴史は虚構なのではなく、事実であることを見極める。
その延長上に今を生きている僕たち。
文化の価値を声高に語れる研究・教育を実践しなければなるまい。
時空を超えることは、最大のロマンでもある。
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