声優さんの朗読講義
2013-10-09
各文の出だしの(声の)高さを変える。「・・・」台詞部分で遊ぶ。
声優さんが指導する朗読で強調したこと。
声のみで演じ、声のみにすべてを賭ける。
一つのプロフェッショナルのあり方。
同僚の先生担当の「映像文化論」という授業がある。そこに大学所在地出身・在住の声優さんがゲストに見えるというので、すかさず拝聴に伺った。以前に打ち合わせで大学にいらしたときも、僕の著書を謹呈し読んでいただいていた経緯もある。「声」を職業としている方の、実践的な講義となった。
まずは発声から。五十音図の各行の音の組み合わせを読んで行く。特に「ハ行」は息が漏れて一気に発声し切るのは難しいという。更には、昨今意識が薄れている「鼻濁音」について、その発声のコツを丁寧に伝えていただいた。その後、「早口言葉」で更に声を出す構えを作った。ふりがなを読むよりも、意味の分かる漢字部分を読むべきだというアドバイスがあった。やはり錯綜する類似した音を発声するときこそ、「意味」の認識が重要ということになろう。
そして受講者一人一人が、文章を読むことに。読む速さは意識してゆっくり。場面を想像しながら読む。段落が変わったら声の高さを変えると、聴く側の理解が進む。台詞部分は大胆に遊んでもよい。文章の終わりは、ゆっくり終息観が出るように着地させる。といった様々なアドバイスが、各人に提供されて行った。もちろん、僕も学生の順番通りに参加したのだが、幸いに声優さんからもお褒めのことばをいただくことになった。ありがたき。
「声」を使う様々な職業の方々との交流を通して感じること。
僕自身も、アナウンサーを志望した時代もあった。
だが、大学教員というのは様々な夢を叶えられる。
研究者・役者・声優・アナウンサー・医者そして教育者。
夢はいくつになっても追い続けるものである。
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