緩やかな速度の効用
2013-09-26
ハイブリッド車カタログに表示された高い燃費。それを実現するには、運転に工夫が求められる。
どれほど必要最低限のエネルギーで走るか。
緩やかな速度の効用。
速度を上げた車に次の信号で追い付くことしばしば。
停車してエンジンを切るとその間に走った燃費が表示される。換言すれば、その運転時間内に、どのような走りをしたかが可視化されるのだ。苛立って速度過剰になっていないか。果てまた緩やかに柔らかく停止時に発生した蓄電をフルに活用して走っていたか。機械はある意味で、正確に人の心が反映した行動を数値に置き換えてくれる。
何事も「行動第一」というのは、特にここ最近の信条である。思考を疎かにするわけではないが、直感的に行動することで何かが見えて来ることが多いと感じているからだ。「行動」が見えるとすぐに準備を始める。交通機関の予約・先方へのアポイント、更には自分の立場を表明し突き進むかの如く邁進する姿勢。根っから下町育ちの江戸っ子気性が備わっているせいか、前に前に速度を上げて行動しようとすることを標榜していることが多い。(それは小欄を読んでいただいていても、ご理解いただけるであろう。)
だがしかし、ときに緩やかな速度とか、静止して考えることも必要だと気付かされた。「急いてはことを仕損ずる」の格言通りである。止まってみて、どんな燃費で走っていたか計器を見つめるような時間。内面の思いとは裏腹に、思っていた以上にアクセルをふかし過ぎていないか。高速道路を走行すれば、一般道では発見できる興味深い物事が見えてこないかもしれない。
緩やかにときに静止する。
均衡のとれた一点を見つめ直す。
人の心に触れるには、こんな柔らかさも求められるであろう。
語らいの中に、穏やかな自己を発見する。
畑で農作物を育てるのには、時間と労力が必要なように。
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