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秋の一歩を味わう

2013-09-23
四季折々いずれも好きであるが、
殊に落ち着いた雰囲気の秋が好きだ。
昨年までは残暑に惑わされてその味わいも疎かにしていたが、
今年は新たなる土地で、秋の一歩の存在感が大きい。
景物も食物も、そして物事の運びも。

まだ暑さを感じるうちに、叢の虫の音を聞く耳。冷房に頼らず、涼風を窓から招く爽快感。いつしか斜陽の時間は早くなり、曙の光も起床時間より遅れ始める。青空の高さは増して、乾いた空気が流れ始める。至って自然の当然なる摂理であるが、今年は日々、そのような変化に対して、より敏感になった自分がいる。

葡萄や梨が店頭に並ぶ。その色彩自体が、たいそう秋の味覚を刺激する。こうした果物に対しても、都会では新鮮さが感じられず、特に食指が動かすこともなかった。だが今年は、地元産の葡萄や梨、それに極早生蜜柑などを必ず買うようにしている。食生活の上でも、果物類の補給は大切であると、ある書物に教わったところでもあって。

暑さから抜け出すと、何らかの変化が生じる。もちろん身体上では、風邪などに用心が必要でもある。だが、暑いうちに苦心した行動が、次の段階に進むのを眼の当たりにするのは、実に気分がいい。暑さで育てられた作物が、収穫される時季。人事においても、具体的な収穫を見つけたいものである。

「秋は哀しき」とは、中国詩文から和歌に移植された観念である。
その「哀しき」を日本人は、「愛しき」に変換して来た。
味わい深き秋の一歩を大切にする日常がいい。
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