ことばの解釈位相
2013-09-11
誰もがわかることば。自分しかわからない内面の呟き。
ある特定の人にしかわからないことば。
ことばを投げ出しても意図通りに解釈されるか否か。
ことばの解釈位相。
性差・年齢・職業等々、社会的集団の中でことばの解釈に齟齬が生じることがある。年配の方々が、「最近の若いもんの言っていることは分からない」と嘆くのは、いつの時代も世の常である。たとえ年齢が近くとも、生育過程や所属してきた集団の環境で、ことばを使用する際の意味合いに齟齬が生じることもある。
職業上、僕はことばの解釈には過剰に敏感である。それが穏当に機能する場合もあれば、いわゆる”深読み”をし過ぎて、余計なことを考えてしまうこともある。そんな日常でも、一つのことばでこれほどの多様性があるのかと自己の内部では愉しんでいる場合が多い。
その一方で、やや凝ったレトリックのある発言を格好付けてしたくなる場合も多い。短歌・俳句のようにその時の気持ちを自らのスマホに覚書することもある。またキャッチコピー風の物言いで、相手に伝えることもある。すると果たして僕自身の真意が伝わったのかどうかと不安になることもある。伝わっていないと判断すれば、すぐさま解釈の糸口を上塗りし提供して理解を促すようにしている。
ことばのこうした解釈位相の幅に遊ぶことは、一種の”思考ゲーム”のようでもある。授業でもどれほど「理解しにくく説明するか」ということは、逆説的に学習者を鍛える授業ということにもなる。マニュアル的な懇切丁寧な説明は、むしろ学習者の思考力の伸長を疎外するのではないかと考えている。
「毎月◯日・△日は・・・・Day!」
などというスーパー等のキャッチコピーがある。
僕の記憶の中にある忘れ難い日付。
こんな表現の効用に載せて伝えてみる。
果たして伝わるかどうか?
その隙間でまた愉しんでいる自分を発見する。
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