歩きながら考える
2013-09-08
想像の力。人間に与えられた偉大な力。
その領域内で様々な”思考”の遊びを展開できる。
想像することで幾多の苦難にも対応できるようになる。
日頃から想像力を鍛えておきたいものだ。
歩くリズムと想像は実に相性がいい。意識せずに歩める程度の速度で、場所も定めずに彷徨する。すると突然、妙案が閃くこともある。脚を運ぶことで脳が活性化し、想像そのものが新鮮なものになるからだ。
ジムでフィトネスバイクを漕ぐ。多くの人がバイクの前に設置されたTVで映像を見たり、小さな再生機から流れる音楽をイヤホンで聞きながら脚を動かしている。だが、僕は何も外部情報を入れ込むことはしない。ただただ何らかの想像を働かせていることが多い。それを察知してのことか、先日もジムのトレーナーの方から「今日は何を考えているのですか?」と質問された。
「想像」の類語として語彙を検討してみよう。「妄想」とすれば、辞書に拠ると「あれこれ想像したことを、事実であるかのごとくに堅く信じてしまう心的傾向。」(『新明解国語辞典第6版』)とある。「妄」の文字の語感からか、ややマイナスイメージを伴うが、時に「堅く信じて」邁進することも必要かもしれない。また「夢想」であれば、「[現実には実現しないことを](期待するあまり)夢の中で見ること。」や「心の中で夢のようなことを考えること。」とある。これもまた大きな希望を持つという意味で、貴重な心的活動ではないかと思われる。そしてまた、「空想」となれば、「現実からはかけ離れている(実行することが出来ない)ことを想像すること。」とある。だが人間のこれまでの歴史とは、実行することができないことや現実には叶わないであろうことを、現実に転化してきた歴史とも言えるであろう。
歩きながら考えよう。
それは現実の動作でもあり、そしてまた心的姿勢でもある。
時に立ち止まることも必要ではあるが、その時間が長いと不安が増大する。
自転車が前進するかのように、動きながら安定を求めてみよう。
向かう方角を間違うことを恐れる必要はない。
自らの感性を信じて、未来は歩きながら考えよう。
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