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いつも見ていた景色

2013-08-17
眼下には東京では珍しい豊かな緑。
遥か空の向こうに富士山が。
やや焦点を手前に引けば新宿の摩天楼。
右手には池袋の街が身近に控える。
いつも見ていた大好きな景色。

その部屋の窓からの景色を見た瞬間、まさに一目惚れであった。小学生頃より自室の窓から開けた景色が見えたからか、眺望にややこだわりがある。日月の昇沈が見えることで、時計では感じられない時間意識も持つことができる。たぶんこんな感性が身に付いているのであろう。

博士論文の完成に向けて、追い込みを掛けたのもこの景色を見ながらであった。朝型の生活が定着し、暁のその景色は日中に増して美しい。長大な論文の校正、そしてプリントアウト、複数の冊子として整え、製本に出すまでの過程。それを全てこの景色を友として行なって来た。

小欄の記述も大半が、この景色とともに産み出されたものである。行間で立ち止まり語彙を絞り出す際に、遠景を見つめて閃くことも多かった。まさに「虚空」に心を投げ出し、そのパワーから文章へのヒントが「現実」に帰って来た。思考の停滞を幾度となく再起動させてくれた景色なのである。

生きるとは、旅のごとしと多くの先人が呟いた。
好きな景色を永久に見ていたいとは思えども、
その時々の状況に合わせた、新たな景色を求めて行くべきである。
僕の大好きな光景は、既に過去のフォトフレームの中にあるようだ。
更なる次元の自己を発見する為に、次の大好きな景色を探す時が来たようだ。
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