そうだ!「今を生きることで 熱いこころ燃える」んだ!
2013-08-09
ある本に触発されて、「アンパンマンマーチ」の歌詞を咀嚼してみた。
たぶんこれまでに何度も聞いたことあるはずなのに、
これほどの含蓄があろうとは思っていなかった。
やなせたかしさんはスゴい!
その一部をあらためて引用しておこう。
「なんのために 生まれて なにをして生きるのか
こたえられないなんて そんなのはいやだ!
今を生きることで 熱いこころ燃える
だから君はいくんだ ほほえんで
そうだ うれしいんだ 生きるよろこび
たとえ胸の傷がいたんでも・・・・」
生きることに希望と勇気を見出すこの歌詞。3.11以降に様々な場で多くの人々に希望を与えたともいう。確かに「今を生きることで、熱いこころ燃える」といった部分には、心が萎えた時にでも、今一度立ち上がる勇気が湧いて来る。まさに「生きるよろこび」を教えてくれる。
自転車乗りに喩えよう。子どもの時分に、自転車に乗れた瞬間を思い出して欲しい。それまで、倒れることを恐れるあまり進めなかったものが、何の前触れもなく一瞬にして自然なままに走っている自分がいた。その瞬間を体得するには、幼少であればある程よい。それは頭で無駄に考えないからであろう。年齢が上がり、理屈で考え始めると、たぶんこの喩えようもない自然な瞬間に至るまでには時間を要することになる。しかし、ひとたび自転車で走り始めると見える風景が一転する。行動範囲が劇的に拡大する。遥かに大きな世界と繋がれるようになるものだ。時にペダルから足を下ろして停止することも必要かもしれないが、走り続けることで自転車は希望の道へと僕たちを導く。
かの夏目漱石は、「ことばとは独楽が回っているようなものだ」といった趣旨のことを述べている。文章の中で、求められる状況の中で、使用されてこそ機能的な意味を発揮する。一つ一つのことばを分断してしまい文脈を考えなければ、その真意は見えてこない。例えば、古文や英文で一単語の意味にこだわり過ぎて、全文の趣旨が捕捉できなくなる経験は誰にでもあるはずだ。回っている独楽を見極めるには、己が動くしかない。静止していれば独楽は、自立できないのである。
突発的に起こることに、自分がどのように対応するか。予期しないことに接してこそ、自分の真意が見えて来ることがある。大きな予定変更に対して、どう考えるか。走っている自転車を急に止められる。回っている独楽を無理矢理止める。そこで立ち止まった時に見える己の気持ち。至って自然に湧き上がるような、相手に対する敬意。「だから君はいくんだ ほほえんで」というアンパンマンの素朴な勇気に学ぶところは多い。しかもあくまで作為ではなく、自然な本心から湧き上がる気持ちであることが重要だ。
「今を生きることで
熱いこころ燃える」
自転車で走り続けること。
独楽は回り続けること。
時に休んでもいい。
「今」を生きることを大切にしたい。
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