心の改行どき
2013-08-05
段落とは何か?一つのまとまった「思想」である。
などと『日本語の作文技術』(本多勝一著)に教わる。
「思想」=「生活(行動)を規定する最小単位の人生観」と換言するならば、
「一段落」ということばにも必然性がある。
前期もほぼ終了という週末。とりわけ僕にとっては、この4月から赴任した新しい職場での「一段落」である。数えること133日間。新しい人々との出逢い、そして新しい仕事への適応の連続であった。予想以上に順調に進むこともあったが、思い通りにいかないことも少なくない。自分の意図と齟齬のある、やや時の流れに任せた日々も。まさに仮免運転中のような「お客さん」状態でもあったかと今にして振り返る。
この週末は、自宅部屋の掃除に取り組んだ。この地に来た当時に手にした、地元モールの店舗案内・繁華街の案内図。また4カ月の間に訪れたいくつかの観光地のガイドパンフ等々。時がそこには堆積しており、今の感覚での要不要の判断を待っていたかのようであった。こうした節目での整理が、大変有効な作用を及ぼすように最近は思う。過去に引き摺られず、過去を侮らず。そんな境地を発見するには、やはり身辺の物質的整理が不可欠である。
過去の中に発見する当時の新鮮な気持ち。もう少しこうしておけばよかったという後悔。そしてもちろんそれなりに納得した自己の歩み。トッピングに少量のほろ苦さも伴いながら、133日間の反芻が走馬灯のように展開する。生きて来た「一段落」を「思想」として確認する意味でも、こうした掃除や整理がいかに重要であるか。流行した「断捨離」の理屈もこうした趣旨に近いことを唱えているのであろう。過去を埃まみれにして堆積させていては、ことは先に進まないのである。
すっかり整理された小さな一部屋。
時折、山あいから雷鳴が轟く。
夏という季節を十分に感じながら、
心も改行どきを迎えているようだ。
さて、次の「段落」はどんな楽しみが待っているのであろうか。
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